護衛艦「てるづき」(JDS Teruzuki, DD-162 / ASU-7012 / TV-3504)
「てるづき」は、
海上自衛隊に所属する
護衛艦であり、あきづき型の2番艦です。この艦名は「照りかがやく月」に由来しており、同名の艦が日本の艦艇史に存在する中でも、秋月型の駆逐艦「照月」に続く2代目となります。
艦歴の概要
「てるづき」の建造は、
1958年8月15日に新
三菱重工業神戸造船所で始まりました。これは、米国との相互防衛援助協定に基づくもので、1959年
6月24日に進水し、
1960年2月29日に
アメリカ海軍においてDD-961として就役しました。その後、
海上自衛隊へ供与され、
横須賀地方隊に配属されました。
1961年9月1日には
自衛艦隊隷下に新編された
護衛艦隊の初代
旗艦としての役割を担い、以降数回にわたり遠洋練習航海を実施しました。特に
1962年から
1971年までの間に、オーストラリアやヨーロッパ、北米など、多くの地域への航海を行なっています。
艦の設備においては、
1968年に
爆雷投下軌条と
爆雷投射機が取り外され、代わって可変深度
ソナー(VDS)が搭載されました。
護衛艦隊隷下の
第4護衛隊群の
旗艦に編入された
1971年からは、さまざまな艦影や任務に従事しました。
その後、
1976年にはMk.108対潜迫撃砲やヘッジホッグ、短魚雷落射機などを撤去し、新たに71式ボフォース・ロケット発射機と3連装短
魚雷発射管を装備する改装が行われました。
1986年には特務艦に種別変更され、艦籍番号がASU-7012となりました。その後、
1987年には
練習艦に再分類され、艦籍番号がTV-3504に変更され、
練習艦隊第1練習隊に編入されることとなりました。
最終的には
1991年に特務艦に戻され、
1993年には除籍されました。その後、標的艦として装備改修を行い、
1994年に実施された
対艦ミサイルの演習で撃沈されました。
衝突事故
「てるづき」は衝突事故の悲劇にも見舞われています。
1963年3月30日午前3時45分頃、
伊豆大島沖で海難救助訓練を終え、帰港していた際に、貨物船「賀茂春丸」と衝突しました。この事故は、いくつかの要因により引き起こされました。
「賀茂春丸」は新日本汽船所属の貨物船で、乗員46名を抱えていましたが、見張りが「てるづき」の尾灯を小型漁船と誤認し、危険を察知した時にはすでに時遅しでした。結果として、「てるづき」の右後部が深刻に損傷し、艦内で就寝していた乗員5名が命を落とし、23名が重軽傷を負う悲惨な結果となりました。この事故は、艦船が大きな危険にさらされる瞬間を物語るものとして、
海上自衛隊の歴史に刻まれています。
歴代の艦長たち
艦長たちの在任期間や功績についても言及されており、彼らの指導の下で「てるづき」は様々な任務を遂行してきました。
海上自衛隊の
護衛艦としての役割を果たし続け、艦の歴史を紡いできたその姿は、今もなお多くの人々に敬意を表されています。
「てるづき」の数十年にわたる活動を通じて、日本の海の安全を守り続けた歴史ある艦艇として、多くの人々に記憶されていることは間違いありません。