とよのくに号

とよのくに号：福岡と大分を結ぶ高速バス路線

概要

「とよのくに号」は、福岡市と大分県別府市・大分市を結ぶ高速バス路線です。大分県の旧称である「豊の国」から愛称が付けられています。大分自動車道の整備と同時に開設され、JR九州の特急「ソニック」と激しい競争を繰り広げてきました。運賃面では、「ソニック」の割引きっぷに対抗し、「とよのくにきっぷ」という回数券を発行することで、鉄道・バス双方で福岡と別府・大分間の運賃を片道実質2,000円～3,000円に抑えています。

所要時間についても、大分自動車道の全通によるスピードアップと、「ソニック」への振り子式電車の投入により、双方とも約2時間台前半と競争が激化しています。ただし、大分自動車道は天候の影響を受けやすく、霧や雪による交通規制、迂回運行、運休などが発生することもあります。

運行会社

複数のバス会社が共同運行しており、運行便によって担当会社が異なります。西日本鉄道、大分交通、大分バス、亀の井バスなどが主要な運行会社です。かつては西鉄観光バスや日田バスも運行に携わっていました。各社は、スーパーノンストップ便やノンストップ便など、異なる運行形態を担当しています。

沿革

1989年の運行開始以来、「とよのくに号」は、大分自動車道の段階的な開通に合わせて経路変更やダイヤ改正を繰り返してきました。1993年にはスーパーノンストップ便が新設され、1996年には大幅増便と所要時間短縮が行われ、「ソニック」に匹敵する運行時間を実現しました。その後も、ダイヤ改正や運行経路の変更、福岡空港への乗り入れ開始などが行われています。

2006年には車両火災事故が発生しましたが、乗客・乗員に被害はありませんでした。近年では、nimocaの導入、Web予約システムの変更、ラッピングバスの運行、回数券の有効期限設定など、サービス面での変化もみられます。2016年には各停系統が休止となり、2018年にはスーパーノンストップ便のダイヤ改正、高速日田への停車開始などが行われています。また、2019年には西鉄[[高速バス]]の解散に伴う運行体制の変更がありました。近年は、消費税率変更に伴う運賃改定も実施されています。2021年にはダイヤ改正により、スーパーノンストップ便とノンストップ便の減便、福岡空港国際線への乗り入れ開始などが行われました。

運行系統と停車停留所

「とよのくに号」は、スーパーノンストップ、ノンストップ、各停（2016年休止）の3系統に大別されます。スーパーノンストップ便は福岡と大分間をノンストップで結び、ノンストップ便は福岡と別府間をノンストップで結びます。各系統で停車する停留所や運行会社が異なります。各系統とも、一部区間のみの利用はできません。

スーパーノンストップ便は、博多バスターミナル、西鉄天神[[高速バスターミナル]]など主要ターミナルに加え、大分市内では要町（大分駅高速バスのりば）、中央通り（トキハ前）、大分新川などに停車します。天候不良時には迂回運行が行われる場合があります。ノンストップ便は、福岡空港を経由する便と直行便があり、別府市内では別府北浜、別府自衛隊前、鉄輪口/鉄輪②、横断道路観光港入口などに停車します。休止された各停系統は、各高速道路上のバス停に停車しながら、福岡と別府・大分、または日田と大分間を運行していました。

運行車両と車内設備

運行車両は、三菱ふそうエアロエース、日野自動車セレガHD、いすゞ自動車ガーラHDなど、各社の高速バス車両が使用されています。車内設備は4列シートが基本で、トイレ、毛布、フットレスト（一部車両）、車内Wi-Fi（一部車両）、携帯電話充電用コンセントなどが備えられています。

まとめ

「とよのくに号」は、長年にわたり福岡と大分を結ぶ重要な交通手段として、激しい競争を戦い抜き、進化を続けています。運行会社や運行形態の多様性、そして、利用者のニーズに応じたサービス改善の歴史が、この路線の成功を物語っています。今後ますますの利用者増加と、更なるサービス向上に期待が寄せられます。

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