とれいん (雑誌)

とれいん：日本の鉄道模型文化を牽引する雑誌

1974年12月の創刊以来、日本の鉄道模型ファンに愛され続ける雑誌「とれいん」。エリエイ出版部（プレス・アイゼンバーン）より発行されており、長年にわたり、鉄道模型に関する多様な情報を提供し続けています。編集長は平野聰氏で、なんこう・やすひろ氏、平井憲太郎氏と続く歴史を受け継いでいます。

「とれいん」が他の鉄道模型雑誌と一線を画すのは、実車と模型の両面を深く掘り下げている点です。先行する『鉄道模型趣味』が模型製作に特化した内容であるのに対し、「とれいん」は実物の鉄道車両に関する情報を豊富に取り上げています。例えば、車両の細部を捉えた写真、甲種輸送の情報、そして『鉄道ダイヤ情報』と連携した運行計画などの記事は、「とれいん」ならではの特色となっています。

誌面では、実車と模型の両面から詳細な解説がなされています。特に、車両の屋根上や床下といった、他誌では詳細な写真が掲載されない部分についても、多数の写真を用いて解説されるのは「とれいん」の特徴です。模型製作において非常に参考となる情報が満載されていると言えるでしょう。

また、「とれいん」は、特定の車両を深く掘り下げた特集記事も掲載しています。かつて「車両の視点」と呼ばれたこの企画では、JRや私鉄の車両を問わず、新旧を問わず、詳細な解説と写真で紹介しています。これにより、読者は模型製作だけでなく、実車への理解も深めることができます。

さらに、「とれいん」は、模型以外の分野にも積極的に取り組んでいます。例えば、紙で作る鉄道模型の工作記事「紙成模型塾」では、型紙を付録として提供することで、読者の実践的な模型製作を支援しています。また、毎年の1月号は新年特大号として、大手私鉄を特集するなど、多様な企画を用意しています。

「とれいん」の創刊当初から編集に携わってきた松本謙一氏のアメリカ型鉄道模型への造詣の深さから、創刊当初はアメリカ型鉄道模型に強い傾向がありました。しかし、松本氏が第一線から退いた現在は、その傾向は薄れてきており、より幅広いジャンルの鉄道模型を取り上げています。

ニッチな分野への貢献も見逃せません。1/80スケール13mmゲージや1/87スケール12mmゲージといった、これまで他誌ではあまり取り上げられることのなかったスケールの模型についても積極的に記事を掲載することで、これらのスケールの模型の普及に貢献してきました。

「とれいん」は、単なる鉄道模型雑誌にとどまらず、日本の鉄道模型文化を支える重要な媒体となっています。実車と模型の両面に精通した記事、そして読者参加型の企画など、多様なコンテンツを提供することで、幅広い読者の支持を集めています。これからも「とれいん」は、日本の鉄道模型文化をさらに発展させていくことでしょう。

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