どんなことでも起こりうる

ウカスカジーの3枚目のオリジナルアルバム『どんなことでも起こりうる』は、2021年12月1日にトイズファクトリーからリリースされました。本作は、コロナ禍という困難な状況下で制作された、ウカスカジーの音楽的な探求とメッセージが込められた作品です。

背景と制作

2020年、新型コロナウイルス感染症の影響で予定されていたツアーが中止となり、活動が制限される中、ウカスカジーは新たな音楽制作に集中しました。2021年8月には、約2年ぶりとなるライブを開催し、そのステージ上でアルバムの発売をサプライズ発表しました。

本作には、2019年に配信限定でリリースされたミニアルバム『金色BITTER』の全7曲が収録されており、これが初のCD化となります。さらに、新曲やカバー曲も加わり、バラエティ豊かな内容となっています。メンバーは、このアルバムについて「コロナ禍で塞がった気持ちを鼓舞し、まとわりつく霧のようなものを少しでも晴らしたい」という想いを込めて制作したと語っています。また、「予想できない良くないこともあるけれど、想像を遥かに越えて、素晴らしくハッピーで楽しいこともある」というメッセージを伝えたいとも述べています。

編曲は、前作『金色BITTER』に引き続きSUNNYが担当。アルバムのレコーディング風景は、映像作品『ウカスカジーの夢工場 〜TOUR “アディショナルタイム”〜』に収録されています。アルバムの略称は「どんおこ」です。

リリースとプロモーション

アルバムは通常盤のみのリリースで、スリーブケース仕様となっています。先着購入特典としてステッカーが付属し、早期予約購入者にはホールツアーのチケット応募用シリアルナンバーが配布されました。また、CD発売と同時に、ダウンロード配信とサブスクリプション配信も開始されました。

『金色BITTER』以来、約2年3ヶ月ぶり、オリジナルアルバムとしては『Tシャツと私たち』以来、約5年半ぶりのアルバムとなります。アートディレクターは榮良太が担当しました。発売前日には、MIFAの公式YouTubeチャンネルでメンバーとバンドアミーゴによるトーク配信が行われました。

ツアー

アルバム発売と同時に、2021年12月から翌年1月にかけて、全国10会場11公演のホールツアー『ウカスカジー TOUR 2021-22 アディショナルタイム』が開催されました。GAKU-MCは、ツアータイトルについて「失われた時間を取り戻し、新しい未来へ向けての僕らなりの提示」とコメントしています。ツアーでは、アルバム収録曲を中心に、「コエノチカラ」「We are not afraid」「青春FOREVER」「DOWN TOWN」「PLEASE SUMMER BREEZE」など全12曲が披露されました。

バンドメンバーとして、SUNNY（キーボード・コーラス、バンドマスター）、設楽博臣（ギター）、藤谷一郎（ベース）、脇山広介（ドラム）が参加。6人編成での演奏となりました。感染症対策として、観客は歓声禁止、常時マスク着用での鑑賞となりました。2022年1月12日の東京国際フォーラム公演の模様は、映像作品としてリリースされています。

収録曲について

アルバムには、ウカスカジーのオリジナル曲に加え、カバー曲も収録されています。

コエノチカラ: リモートで制作された楽曲で、困難な状況下でも声を上げることの大切さを歌っています。
PLEASE SUMMER BREEZE: キャンピングカーで制作されたという、爽やかな夏の曲です。
DOWN TOWN: シュガー・ベイブのカバーで、山下達郎の楽曲をウカスカジーならではのアレンジで蘇らせています。
上を向いて歩こう: 坂本九の名曲をカバー。困難な時代に希望を与えるメッセージが込められています。
* 勝利の笑みを 君と 〜日本サッカーのために〜: 日本サッカー協会公認サッカー日本代表応援ソング。2022 FIFAワールドカップに向けて新録されました。

『どんなことでも起こりうる』は、コロナ禍という時代を反映しながらも、前向きなメッセージと音楽の力で聴く人を勇気づける作品です。ウカスカジーの新たな音楽の可能性を感じさせる一枚となっています。

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