ねずみのよめいり

ねずみのよめいり

『ねずみのよめいり』は、1961年に東映動画が制作した短編アニメーションです。この作品はカラーで、約13分の尺を持ち、当時の新人グループの教育を目的としたプロジェクトとして生まれました。制作陣には、後に東映動画初のテレビシリーズ『狼少年ケン』で知られる白川大作や月岡貞夫が名を連ね、作画を担当したのは、虫プロダクションで活躍する林重行（りんたろう）です。

ストーリー

物語は、あるネズミの両親が娘のために最強の婿を探すところから始まります。彼らはアルバムを見ながら、どのような存在が世界で一番強いのかを考えます。そこで、彼らは太陽を目指して出かけることに。しかし、旅の途中で遭遇した雲や風は、それぞれ自分が最も強いと言い張ります。その後、彼らは最終的に家に目をつけ、家を婿とすることを決意します。

しかし、その時、家が突然悲鳴を上げます。そして現れたのは娘のアルバムに写っていた幼馴染のオスネズミと、彼に手を引かれたメスネズミでした。これにより、両親は家が本当に強いのか、それとも幼馴染のネズミたちが強いのかに迷うことになります。

スタッフ

この短編アニメーションの企画は島田太一が担当し、脚本は白川大作と月岡貞夫が執筆しました。監修を行ったのは森康二で、構成と演出も白川大作と月岡貞夫によって行われました。作画には、月岡貞夫の他に小林和子、花田玲子、林重行、田村真也が参加しています。美術は小山礼司が手掛け、仕上げの作業は本橋文枝によって行われました。撮影には菅原英明と篠崎文男が、編集は稲葉郁三が担当しました。また、音楽は朝野真悟が作曲し、録音は石井孝夫が担当しました。

放送と公開

このアニメーションは、製作から4年後の1965年1月18日、『ピーコック劇場』（NET系列）で短編マンガシリーズの一環として放送されます。当初の劇場公開は1983年にようやく実現し、1979年7月29日に行われた『'79国際児童年記念 東映まんがまつり』の一環として上映されました。ただし、この時の上映は一部地域に限られていました。この劇場版では、同時上映として『パンダの大冒険』（リバイバル）、『SF西遊記スタージンガー 悪魔のバリバリゾーン』、さらに『花の子ルンルン』や『バトルフィーバーJ』の計4本がありました。

まとめ

『ねずみのよめいり』は、シンプルながらも心温まるストーリーと多彩なキャラクターたちが織りなす魅力的な短編アニメーションです。この作品は、アニメーション制作の発展と、東映動画の多様な創作の一端を感じさせる重要な作品となっています。

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