のしいか

のしいか（伸し烏賊、熨斗烏賊）

のしいかは、乾燥させたイカを調味液に浸し、薄く伸ばした日本の珍味です。独特の食感と風味が特徴で、おやつや酒の肴として広く親しまれています。

歴史

のしいかの起源は江戸時代に遡ります。当時は、スルメをみりんに浸した後、木槌で丁寧に打ち延ばして作られていました。特に松前藩（現在の北海道）の特産品として知られ、その上品な味わいは将軍家への献上品にも選ばれていたと伝えられています。

製法

現代ののしいかは、昔ながらの製法を基本としつつも、効率化と品質向上のために改良が加えられています。主な製法は以下の通りです。

1. 下処理: イカの内臓や軟骨を取り除き、きれいに洗浄します。
2. 調味液への浸漬: 下処理を終えたイカを、みりん、砂糖、醤油、蜂蜜などを配合した特製の調味液に一定時間浸します。この工程で、イカに味が染み込み、柔らかさが増します。
3. 圧延: 調味液に浸したイカを、ローラーに通して薄く均一に伸ばします。この工程が、のしいかの特徴的な形状を生み出します。
4. 乾燥: 圧延されたイカを乾燥させ、水分を飛ばします。乾燥させることで、保存性が高まり、独特の風味が凝縮されます。

使用される調味液は、地域や製造業者によって異なり、さまざまなバリエーションが存在します。甘めの味付けや、ピリ辛の味付けなど、好みに合わせたのしいかを楽しむことができます。

原材料の変化

1970年代の貿易自由化により、イカの入手が困難になった時期がありました。その際、スケトウダラのすり身にイカ粉を混ぜ、薄く伸ばしてのしいかの風味を再現した代用品が登場しました。現在でも、駄菓子として同様の製品が販売されています。

販売方法

のしいかは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで手軽に購入することができます。また、観光地の朝市などでは、その場でイカを加熱し、ローラーで伸ばして実演販売していることもあります。出来立てののしいかは、格別な味わいです。

関連項目

イカ
スルメ
* 珍味

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