貿易自由化

貿易自由化とは

貿易自由化とは、国家間の貿易障壁を取り除き、 товаровとサービスの自由な移動を促進する政策の総称です。具体的には、関税の引き下げや輸入数量制限の撤廃などが含まれます。

歴史

GATT体制

第二次世界大戦後、世界経済の停滞はブロック経済や各国による関税引き上げが原因であるという認識が広まりました。貿易自由化を推進することで経済を発展させ、生活を豊かにできるという考え方が主流となり、1947年には関税及び貿易に関する一般協定（GATT）が署名され、1948年から暫定的な運用が開始されました。
GATTでは、「ラウンド」と呼ばれる貿易自由化交渉が定期的に開催され、関税の引き下げなどについて議論されました。

第1回ラウンド（1947年）：23か国参加
第2回ラウンド（1949年）：13か国参加
第3回ラウンド（1951年）：38か国参加
第4回ラウンド（1956年）：26か国参加

輸入数量制限の撤廃と関税化

GATTは、輸入数量制限を原則として禁止し、代わりに関税を課すことを認めました（関税化）。貿易交渉を通じて関税率を引き下げることで、貿易の自由化を目指しました。

日本は1949年に外国為替及び外国貿易管理法を制定し、国際収支の均衡化を名目として外国為替の統制・割当を強化し、輸入を厳しく管理・規制することで国内産業の保護育成を目指しました。同時に、1ドル=360円の固定相場制を導入しました。1951年には外国為替資金特別会計が設定され、輸出によって獲得された外貨はここに集められ、「外貨予算制度」によって重化学工業に必要な原料や資源などが優先的に輸入されました。日本は1952年にIMF、1955年にGATTへの加盟が認められましたが、IMF14条国及びGATT12条国の認定を受けたために、国際収支を理由とした為替・輸入制限が認められており、既存の規制が認められました。この時、規制対象とされたのは、自動車やエレクトロニクスなど、将来日本経済の主力として期待される産業を中心とした。

1960年代

1960年から1961年にかけてディロン・ラウンドが開催され、関税の引き下げ交渉が行われました。一方、1950年代終わり頃からアメリカを中心に日本の為替・輸入統制政策への批判が高まりました。日本政府は1960年に「貿易為替自由化大綱」を策定し、輸入数量制限の品目数を削減するとともに関税率の設定（関税化）を行いました。国際競争力の高まった産業から順次輸入を自由化する方針を採り、1960年には41%であった貿易自由化品目率が、1964年には94%にまで上昇しました。ただし、自動車に関しては1965年、コンピュータ関連については1970年まで輸入自由化は持ち越しとされました。また、国際経済においても1963年にGATT11条国、翌1964年にIMF8条国に指定されたことで、従来のような国際収支を理由とした為替・輸入制限の撤廃が義務付けられ、また資本自由化も同時に求められるようになりました。これに応える形で1964年には「外貨予算制度」が廃止され、貿易と為替は原則的には自由化されることになりました。
1964年から1967年にかけてケネディ・ラウンドが開催され、関税の引き下げやダンピングの防止について交渉が行われました。

1970年代

1973年から1979年にかけて東京ラウンドが開催され、関税の引き下げや非関税障壁について交渉が行われ、鉱工業製品の平均関税率約33%の引き下げで合意されました。

1980年代～1990年代

1980年代には日米間で日米貿易摩擦が生じるなど、アメリカなどから更なる「市場開放」が要求されることになりました。1986年から1994年にかけてウルグアイ・ラウンドが開催され、関税の引き下げ、非関税障壁、特に農業や繊維、知的所有権の分野を中心に交渉が行われました。また、ウルグアイ・ラウンドでは貿易上の紛争解決や新たな機関（WTO）の設立についても議論されました。

WTO体制

ウルグアイ・ラウンドでの交渉に基づき、1995年に世界貿易機関（WTO）が創設されました。GATTでは貿易自由化による経済効率性の向上に焦点が当てられていましたが、WTOを設立するマラケシュ協定では、環境保護や途上国の開発にも触れられ、より幅広い視点を持つようになりました。

関連項目

自由貿易
自由貿易協定

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