はしだて (列車)

特急「はしだて」：北近畿を結ぶ、鮮やかな赤の特急列車

特急「はしだて」は、西日本旅客鉄道（JR西日本）と京都丹後鉄道（WILLER TRAINS）が共同運行する、京都府中京部と北近畿地域を結ぶ特急列車です。京都駅、福知山駅、宮津駅、天橋立駅、久美浜駅などを結び、一部列車はさらに豊岡駅まで直通運転を行っています。

列車名の由来と歴史

列車名は、宮津市にある日本三景の一つ「天橋立」に由来しています。その歴史は古く、1965年から1968年にかけて大阪駅と天橋立駅間を結ぶ準急列車として運行されたのが最初です。その後、急行列車を経て、現在の特急「はしだて」として1996年3月16日に運行開始されました。当初は気動車特急「あさしお」と急行「丹後」を統合する形で、183系電車による電車特急として運行を開始。京都駅～天橋立駅間を主に運行していましたが、2011年3月12日のダイヤ改正で特急「タンゴディスカバリー」の一部が統合され、豊岡方面への乗り入れを開始しました。

運行概要と停車駅

2024年3月現在、「はしだて」は、京都駅を起点に宮津駅、天橋立駅、久美浜駅へ向かう複数の列車が運行されています。運行本数は、京都駅〜宮津駅間下り1本、京都駅〜天橋立駅間下り3本／上り2本、京都駅〜久美浜駅間下り1本／上り2本、福知山駅〜天橋立駅間上り1本など、計5往復です。

多くの列車は、京都駅〜綾部駅間において、東舞鶴駅発着の特急「まいづる」と連結運転を行っています。宮津線と宮福線をまたがって運転するため、宮津駅ではスイッチバックを行い、進行方向が変わります。久美浜駅発着の列車は、久美浜駅から豊岡駅まで快速列車として直通運転します。また、一部列車は宮津駅到着後、西舞鶴駅まで普通列車として直通運転します。

停車駅は、京都、二条、亀岡、園部、綾部、福知山、大江、宮津、天橋立、与謝野、京丹後大宮、峰山、網野、夕日ヶ浦木津温泉、久美浜、（豊岡）です。久美浜駅〜豊岡駅間は快速運転となります。

使用車両と編成

「はしだて」で使用される車両は、JR西日本所属の287系電車と京都丹後鉄道所属のKTR8000形気動車の2種類です。287系電車は天橋立駅発着の列車を中心に、KTR8000形気動車は宮津駅・久美浜駅発着の列車に使用されています。2022年3月のダイヤ改正以降、全列車が全席指定席となっています。

287系は通常4両編成ですが、繁忙期には7両編成になることもあります。KTR8000形は通常2両編成ですが、4両編成での運転もあります。過去には183系、381系、289系なども使用されていましたが、現在は287系とKTR8000形に統一されています。

接続と利便性

「はしだて」は、福知山駅で特急「こうのとり」と接続しており、大阪方面や城崎温泉方面への乗り換えがスムーズに行えます。また、天橋立駅発着の列車は、宮津駅や天橋立駅での豊岡方面の普通列車との接続も考慮したダイヤとなっています。京都駅～福知山駅間では、ICOCAなどの交通系ICカードも利用可能です。

沿革

1996年の山陰本線電化開業を機に運行開始。その後、ダイヤ改正や車両更新などを経て、現在の運行形態になっています。近年は、新型コロナウイルス感染症の影響による減便などもありましたが、現在も北近畿地域と京都を結ぶ重要な交通手段として運行されています。

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