はるまで、くるる。

『はるまで、くるる。』は、2012年4月27日にすみっこソフトから発売された18禁恋愛アドベンチャーゲームです。キャッチコピーは「春なんか、もう来なければいいのに。」と、少し悲観的な雰囲気を漂わせています。

本作は、すみっこソフトにとって3年ぶりの新作であり、特徴的なのは初回プレイ時からハーレムルートが展開されるという点です。予約特典として、レトロなアドベンチャーゲーム『あきおの名探偵』が付属していました。また、『なつくもゆるる』、『あきゆめくくる』、『ふゆから、くるる。』と合わせて、SF四季シリーズと位置づけられています。

ストーリー

主人公の一希は、ある事情から4人の少女たちと共に、携帯電話も通じない孤島で夏休みを過ごすことになります。この島は特殊な場所で、彼ら5人以外には誰も住んでいません。島にある建物は、温泉宿のような寮舎と古びた校舎のみ。彼らは自給自足の生活を余儀なくされます。そして、最も奇妙なのは寮舎の裏にそびえ立つ、天まで届くかのような長い煙突でした。

奇妙な島での生活に慣れてきたある日、リーダー格の少女・和葉静夏が、この場所を主人公のハーレムにすると宣言します。戸惑う主人公たちを前に、静夏は服を脱ぎ、その言葉の意味を体で示そうとします。

登場人物

一希
本作の主人公。

和葉 静夏（かずは しずか）
声 - 竹岡美柳
身長 152cm、B/W/H 79/58/78
リーダー格の少女。強気な性格で、自分の意見をはっきりと述べます。食べることが何よりも好きで、食事の時間を楽しみにしています。自己中心的に見えることもありますが、実は誰よりも他人のことを考えています。

仁燈 春海（にとう はるみ）
声 - 芹園みや
身長 154cm、B/W/H 91/60/85
委員長タイプの少女。真面目な性格で、みんなのまとめ役を担っています。寮生活では料理を担当。仲間にも打ち明けられない欲求を隠しています。

未木 秋桜（みき あきお）
声 - かわしまりの
身長 160cm、B/W/H 84/59/87
静かな性格の少女。一人でいることを好みますが、他人と全く関わらない生き方は嫌っています。釣りが趣味で、仲間のために食材を確保するのが日課。読書が好きで、シャーロック・ホームズシリーズを愛読しており、探偵の真似事をすることがあります。

士蓮 冬音（しれん ふゆね）
声 - 青葉りんご
身長 146cm、B/W/H 71/56/72
ムードメーカーな少女。他愛もない冗談で周囲を和ませますが、自分自身に対しては無頓着で、心の痛みに気づかない一面も持ち合わせています。

制作

当初、別のシナリオライターが担当していましたが、ヒロインの立ち絵とイベント原画が完成した段階で降板しました。その後、プロデューサー兼ディレクターの木緒なちの大学時代の知人である渡辺僚一が、同人サークル「半端マニアソフト」の事実上の最終作『Indigo』を最後にシナリオライターを廃業しようと考えていたところ、木緒の紹介で本作の開発に携わることになりました。

渡辺は、「納期は4か月後。予算の都合上キャラクターを増やせないし、Hシーンは1人3枚だが、それ以外は何をやってもいい」という条件で本作のシナリオを担当。これを最後の美少女ゲームと認識し、自由に制作を行いました。

渡辺は後のインタビューで、本作が自身の転換点になったと語っています。過去の作品では、依頼者の要望に応えることに重きを置いていたのに対し、本作では自らの企画で好きなように制作できたことが大きな変化だったと述べています。

主題歌

オープニングテーマ「春の陽」
作詞・歌唱：華憐 / 作曲・編曲：電気
エンディングテーマ「春に舞う想い」
作詞：wight / 作曲・編曲：mo2 / 歌唱：Barbarian On The Groove feat.真理絵

関連商品

『はるまで、くるる。』ビジュアルファンブック
コミックマーケット83で発売された限定品。

『はるまで、くるる。 〜春の日のような、甘くて果ての見えない、悪夢と終末のハーレム〜』
桜雲社から2017年3月18日に発売されたノベライズ作品。渡辺僚一が執筆、師走ほりおと笹井さじがイラストを担当。

反響

発売前は予約数が伸び悩んだものの、発売後に高い評価を受けました。萌えゲーアワードでは「ユーザー支持賞」「シナリオ賞」など6部門で2012年5月の月間賞を獲得、さらに同賞の同年度シナリオ賞銀賞を受賞しました。

外部リンク

公式ウェブサイト

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