ひばり・チエミのおしどり千両傘

ストーリー

鶴岡藩の貴美姫は、政略結婚を嫌い、自由を求めていました。婚礼を前に憂鬱な日々を送る中、お毒見役の腰元・お登志は、貴美姫の残した食事をこっそり平らげるのが楽しみでした。お登志は、台所の賄い役・堀込一馬に想いを寄せており、彼に気を引こうと画策していました。

婚礼準備のため江戸へ向かう道中、貴美姫は、祭りで賑わう若者たちの姿に心を奪われます。その頃、お登志が貴美姫の替え玉に選ばれ、騒動に巻き込まれます。一方、祭りで抜け出した貴美姫は、渡世人風の男・巳之吉と出会い、彼を頼って江戸へ向かうことになります。

実は巳之吉は、木場の材木問屋「相模屋」の若旦那でした。道中、二人は様々な場所を訪れ、楽しい時間を過ごします。三島の浜で、巳之吉は貴美姫に求婚しますが、貴美姫は自分の身分を告白し、巳之吉を悲しませます。

一方、お登志は、薙刀の試合や歌と踊りを披露することで、松平家の使者である岩風を納得させようとします。しかし、松平家の逆臣・黒田主水の一党が、姫の命を狙って襲撃してきます。お登志を守るために、一馬が黒田らと大立ち回りを演じます。武家社会に愛想を尽かした一馬は、江戸へ向かいます。

貴美姫は、巳之吉との別れを惜しみながらも、藩に連れ戻されます。帰国後、お登志から、江戸で一馬と魚の商いをしていると告げられ、巳之吉からの伝言を聞きます。結婚式の最中、貴美姫は駕籠から飛び出し、「相模屋」で巳之吉と再会し、二人は結ばれます。

材木問屋「相模屋」と魚屋「魚一」として、道を挟んで商売をする夫婦となった二人は、仲睦まじく喧嘩をするのでした。

作品情報

公開: 1963年1月9日
製作: 東映京都
カラー: カラー
画面サイズ: シネマスコープ
上映時間: 86分

スタッフ

企画: 神戸由美
監督: 沢島忠
脚本: 沢島忠、笠原良三
撮影: 山岸長樹
照明: 村井孝二
録音: 中井秀夫
美術: 井川徳道
音楽: 米山正夫
編集: 宮本信太郎
助監督: 鈴木則文

キャスト

貴美姫: 美空ひばり
お登志: 江利チエミ
巳之吉: 水原弘
堀込一馬: 安井昌二
土橋進佐衛門: 千秋実
梶川主膳: 北龍二
岩風: 清川虹子
三村文之進: 由利徹
黒田主水: 尾形伸之助
落合太郎左: 中村時之介
お八重: 紫ひづる
与吉: 喜味こいし
駕籠屋: 五里浜太郎
番頭: 夢路いとし

同時上映

『旗本退屈男 謎の竜神岬』

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