ひまわり (人工衛星)

ひまわり（GMS）の概要



ひまわり（英称: Geostationary Meteorological Satellite、GMS）は、日本の気象庁と宇宙開発事業団（NASDA）によって開発された静止気象衛星です。この衛星は、主に宇宙からの気象観測を行うことを目的としており、1977年に打ち上げられました。開発には日本電気およびヒューズが関与しました。ひまわり2号が打ち上げられた後は、ひまわり1号と呼ばれることもあります。

開発の経緯



日本における気象衛星の開発は、以前より極軌道気象衛星の構想が進められていましたが、1970年代に入ると世界気象機関（WMO）および国際学術連合会議（ICSU）が共同で実施していた地球大気開発計画（GARP）の影響により、気象衛星の観測網の設計が具体化してきました。これを受けて、1970年度の宇宙開発計画を見直し、静止気象衛星の研究が進められることになりました。

気象庁気象研究所は1971年度からGARPの要求仕様を満たす静止気象観測衛星の調査を開始し、アメリカのSMSやGOESの研究開発の動向を参照しながら、衛星の概念設計を行いました。さらに、NASDAでも静止気象衛星の技術的実現性について検討が行われ、1972年度の計画見直しにより、1973年度からの開発が正式に決定されました。最初の基本設計は1974年に完了し、詳細設計も進められ、1975年度にはフライトモデルが製作される運びとなりました。

打ち上げと運用



1977年7月14日、ひまわりはデルタ2914ロケットによってケープカナベラル空軍基地から打ち上げられました。同年7月15日にはアポジキックモーターを噴射し、ドリフト軌道へ入った後、7月18日には東経140度の赤道上空に静止しました。

初期の運用においては、衛星のスピン軸が約2度ずれていることが発見され、この影響で取得した画像に歪みが生じましたが、地上でのソフトウェアの改修により問題が解消されました。1977年11月からは定常運用を開始し、1978年4月には気象庁気象衛星センターによる本格的な運用が始まりました。

しかし、ひまわりは1981年12月にひまわり2号に業務を引き継ぎ、最後は東経160度の位置で軌道上待機となりました。やがて搭載機器の劣化が進んだ結果、1989年6月に墓場軌道へ移動し、6月30日に運用を終了しました。

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