ふたつの月に濡れる

ふたつの月に濡れる

滝川杏奴による小説、及び佐々木浩久監督による映画作品『ふたつの月に濡れる』。

概要

2020年に書き下ろし小説としてジーウォーク（紅文庫）から発売。2024年にはOP PICTURES＋フェス2024にて映画版が公開された。

あらすじ

大学生である健吾は、大学に通う代わりにジャズバー「ホワイトライオン」で店長として働いている。かつて山で遭難し行方不明となった父の救出費用を稼ぐためだったアルバイトは、いつしか彼の生活の中心となっていた。

そんなある夜、父の愛人だったという奈美が店に現れ、二人は共に山へ向かうことになる。

登場人物

有村健吾

「ホワイトライオン」の雇われ店長兼バーテンダー。22歳。父の死去後、学費を稼ぐために始めたアルバイトが本業となり、大学は休学中。聞き上手な性格でマスターからも評価されている。
南野柚季

健吾の同級生で、官能小説家を目指す大学生。22歳。スイスでの留学経験があり語学堪能。健吾にテスト範囲をまとめたノートを渡すなど交流がある。
早瀬奈美

健吾の父・祐介の愛人だった女性。30歳。ハスキーボイスで、健吾は彼女に惹かれていく。祐介の登山仲間でもあり、スタイルが良い。
マスター

「ホワイトライオン」のオーナー。40代。新たな店舗をオープンさせるため、健吾に店を譲った。
サトちゃん

広告代理店の営業マンで、「ホワイトライオン」の常連客。34歳。奈美に一目惚れする。
嶋田

近隣のコンビニエンスストアの店長。「ホワイトライオン」の常連客で、皆から頼りにされている。
山下

小学校教諭。「ホワイトライオン」の近所に住んでおり、時々店に立ち寄る。映画鑑賞が趣味。
有村祐介

健吾の父。雪山で遭難し死亡。大手鉄鋼所の経理部勤務だった。

映画版キャスト

南野柚季 - 宮崎リン
早瀬奈美 - 若宮はずき
みゆき - 西村ニーナ
有村健吾 - 村田直樹
ジュン - 橘花咲夢
悦子 - 滝本ゆに
有村祐介 - 石川雄也

映画スタッフ

監督・脚本: 佐々木浩久
原作: 滝川杏奴
撮影: 鏡早智
照明: 宮沢豪
録音: S-ケンジ
音楽: 練馬音楽効果集団
編集: 大永昌弘
助監督: 島崎真人

音楽

劇中では、以下の楽曲が使用されている。

エラ・フィッツジェラルド『ス・ワンダフル』
サラ・ボーン『サマータイム』
チェット・ベイカー『枯葉』
ヘレン・メリル『ス・ワンダフル』
アストラッド・ジルベルト『イパネマの娘』
ジョン・コルトレーン『セイ・イット』
デューク・エリントン楽団『A列車で行こう』

映画版の特徴

原作小説では健吾の視点で物語が進むが、映画版では柚季がヒロインとして再構成されている。

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