ふりむいて抱きしめて

WANDS 2ndシングル「ふりむいて抱きしめて」：楽曲解説と背景

1990年代の音楽シーンを彩った人気ロックバンド、WANDS。彼らの2枚目のシングルとして1991年にリリースされた「ふりむいて抱きしめて」は、バンドにとって大きな転換点となった作品です。

この曲は、WANDS初のオリジナル楽曲として制作されました。それまでのシングルとは異なり、メンバー自らが作詞作曲に挑んだ意欲作であり、バンドの音楽性における自立を象徴する1曲と言えるでしょう。

先行シングルとして、彼らの1stアルバム『WANDS』に収録されました。1994年の再発盤では、ジャケットデザインが変更され、それまでの折り畳み用線がなくなっています。この変更は、再発盤における一般的なデザイン変更の一環として行われたものと考えられます。

楽曲の魅力：ダンサブルなサウンドと切ない歌詞

「ふりむいて抱きしめて」は、アップテンポでダンサブルなサウンドが特徴です。軽快なリズムとキャッチーなメロディーは、聴く者の心を躍らせます。一方で、歌詞は失恋の痛みを繊細に表現しており、聴く者の感情に訴えかける力を持っています。

ボーカルの上杉昇氏は、この歌詞について女性に振られた経験から生まれたと語っています。その個人的な感情が、楽曲に深みとリアリティを与えています。

当初は、カップリング候補として「時の扉」や「Jumpin' Jack Boy」のカップリング曲「White Memories」も検討されていました。しかし、メンバーの意向により、よりダンサブルな楽曲をリリースしたいという思いから「ふりむいて抱きしめて」がシングルとして選ばれました。この選択が、WANDSの音楽的可能性を広げることに繋がったと言えるでしょう。

ミュージックビデオと収録アルバム

「ふりむいて抱きしめて」のミュージックビデオは、WANDSの映像作品集『BEST OF [[WANDS VIDEO HISTORY]]』に収録されています。同作品には、「Baby Baby Baby」のライブ映像ダイジェストも収録されており、WANDSの初期の活動を知る上で貴重な資料となっています。

「ふりむいて抱きしめて」は、数多くのWANDSのベストアルバムにも収録されています。代表的なものとしては、『WANDS』、『SINGLES COLLECTION+6』、『WANDS BEST 〜HISTORICAL BEST ALBUM〜』、『WANDS BEST HITS』、『vocal compilation 90's hits Vol.1〜male〜 at the BEING studio』、『BEST OF [[WANDS HISTORY]]』などがあります。これらのアルバムを通じて、この楽曲がWANDSの代表曲として広く認知されていることが分かります。

参加ミュージシャンと関連情報

コーラスには岩切玲子さんが参加しています。

「ふりむいて抱きしめて」は、WANDS、そして上杉昇氏、柴崎浩氏、大島こうすけ氏らメンバーの才能が結集した、バンド初期を代表する重要な楽曲です。そのダンサブルなサウンドと切ない歌詞は、今もなお多くのファンを魅了し続けています。テレビ朝日系『OH!エルくらぶ』のオープニングテーマとしても使用され、幅広い世代に知られることとなりました。

この楽曲は、単なるヒット曲というだけでなく、WANDSというバンドのアイデンティティを確立する上で大きな役割を果たしたと言えるでしょう。そして、彼らの後の活動にも大きな影響を与えた、まさに記念碑的な一曲なのです。

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