ぷりコール

ぷりコールとは

ぷりコールは、NTTドコモが1999年5月から提供していたプリペイド式携帯電話サービスです。当時、プリペイド式携帯電話は、手軽に利用できる反面、匿名性の高さから不正利用も問題視されていました。ぷりコールも例外ではなく、その後のサービス終了へと繋がっていきます。

サービス開始から終了まで

当初、ぷりコールはプリペイドカードを発行せず、ドコモショップなどで現金で通話料を登録する方式でした。しかし、1999年12月には専用のプリペイドカード「ぷりコールカード」（現在のモバイラーズチェック）が発売され、他社と同様にプリペイドカードを購入して登録する方式に変更されました。

NTTドコモはプリペイド式携帯電話の販売にあまり注力せず、他社と比較してコストパフォーマンスが低いという評価もあり、契約者数は2001年3月の21万契約をピークに減少を続けました。2005年1月には契約数が8万契約にまで落ち込んでいました。利用者の減少に加え、匿名性を悪用した「振り込め詐欺」などの不適正利用が社会問題となったこともあり、2005年3月31日に新規受付は停止されました。2011年11月末時点での残存契約数は約8400契約でした。

しかし、近年の市場飽和やMNPによる競争激化でドコモの加入者数が伸び悩む中、ポストペイド契約だけでは加入者増加が見込めないという状況から、「ドコモはプリペイド携帯を復活させるべき」という声も一部で上がっています。ぷりコールはFOMAではなくPDC方式のmovaを採用していたため、movaのサービス終了に伴い、2012年3月31日をもってサービスを終了しました。

リチャージ用のカードであるモバイラーズチェックは、ポストペイド契約でも利用可能なカードであるため、ぷりコールの新規受付停止後も販売は継続されました。しかし、ぷりコールの廃止や、モバイラーズチェックサービス自体が「ドコモ ケータイ送金」などで代替可能になったことから、こちらも販売停止となりました。

KDDI／沖縄セルラー電話連合(au)およびソフトバンクモバイルのプリペイド方式からのMNP転出については、各キャリアショップで直接手続きし、予約番号発行手数料が課されることが両社のWebサイトで示されています。しかし、ドコモはぷりコール契約からのMNP転出について、他社のような説明をWebサイト上には掲載していませんでした（2010年3月時点）。

利用できるサービス

ぷりコールでは、以下のサービスを利用できました。

音声通話: 一般電話や携帯電話への通話が可能でした。
WORLD CALL: 国際電話サービスも利用できました。
ショートメール: 送信のみが可能でした。
データ通信: moperaサービスを通じてインターネットに接続できました（moperaネットサーフィン、mopera Live!サービスに限る）。
番号通知お願いサービス: 非通知設定の着信に対して番号通知を求めることができました。
公共モード: 公共の場所で利用する際の通話音量を制限できました。
英語ガイダンス: 英語でのガイダンスを利用できました。

提供端末

ぷりコールでは、以下の端末が提供されていました。

SO601ps（SO206ベース）
D601ps（D207ベース）
F601ps（F207ベース）
N601ps（N207ベース）
P651ps（P209iベース、通常契約に変更するとi-modeが利用可能）
D211i
R211i
N831（ドッチーモN811ベース、ポストペイドPHSとのデュアル契約用）

利用料金

リチャージ用カードについては、モバイラーズチェックを参照する必要があります。

国内通話料は時間帯・通話先・曜日によって変動しました。

一般電話への通話
平日（昼間）：5.5秒/10円
平日（夜間）：6.0秒/10円
土曜・日曜・祝日：7.0秒/10円
深夜・早朝：9.5秒/10円
ドコモの携帯電話、FOMA、衛星携帯電話への通話
平日（昼間）：3.5秒/10円
平日（夜間）：6.0秒/10円
土曜・日曜・祝日：7.0秒/10円
深夜・早朝：9.5秒/10円
他の移動通信事業者の携帯電話への通話
平日（昼間）：3.5秒/10円
平日（夜間）：6.0秒/10円
土曜・日曜・祝日：7.0秒/10円
深夜・早朝：9.5秒/10円
PHSへの通話
平日（昼間）：3.5秒/10円
平日（夜間）：4.5秒/10円
土曜・日曜・祝日：4.5秒/10円
深夜・早朝：4.5秒/10円

TVコールは利用できませんでした。

メール

メールは、ドコモ宛のショートメール送信のみ可能で、受信はできませんでした。

関連情報

関連項目
プリモバイル
ソフトバンクプリペイドサービス
ぷりペイド
外部リンク
* ぷりコール | 料金・割引 | NTTドコモ (Wayback Machine archived 2008-02-14)

ぷりコールは、プリペイド式携帯電話の黎明期におけるドコモのサービスであり、その歴史は携帯電話の進化を語る上で重要な一部と言えるでしょう。

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