ほわいとさんぽう

「ほわいとさんぽう」は、三宝海運が運航していたフェリーで、同社にとって最初のフェリーとして建造されました。その就航から現在に至るまで、数々の変遷を経験しており、その歴史は興味深いものです。

概要

「ほわいとさんぽう」は、1972年7月に福岡造船で竣工し、三宝海運のフェリー第一船として神戸 - 今治航路に就航しました。当時、この航路は瀬戸内海を横断する重要なルートであり、多くの人々の移動手段として利用されていました。このフェリーの導入は、三宝海運にとって大きな飛躍であり、その後の事業展開の基礎を築く上で重要な役割を果たしました。

しかし、1981年6月には、「ほわいとさんぽう2」の就航に伴い、予備船としての役割を担うことになりました。これは、海運業界における競争の激化と、より大型で高性能なフェリーへの需要が高まった結果と言えるでしょう。

その後、1987年には、パナマのTrans Union Shippingに売却され、「SWEET BABY」と改名し、フィリピンで新たな航路に就航しました。海外での活躍は、この船の新たな一面を示すものでした。

さらに、1995年頃には日本に戻され、東日本フェリーの船体塗装に類似した塗装とイルカのロゴマークをつけた状態で長崎港で係船されました。これは一時的な措置であり、その後の売却を前提としたものと考えられます。

そして1996年、この船は「DIAMOND STAR 4」と再び改名され、新たなオーナーのもとで航海を続けることになりました。その後もオーナーは変わり、2003年には「MENTARI NUSANTARA」と改名され、インドネシアで活躍することとなりました。

2010年以降は「PANORAMA NUSANTARA」として、インドネシアのスンダ海峡を連絡する航路に就航しています。その長い歴史の中で、何度も名前を変え、様々な場所で人々の足として活躍し続けています。

設計

「ほわいとさんぽう」の船体塗装は白一色で、そのシンプルさが特徴でした。一本煙突のファンネルには赤い3本のラインが巻かれており、遠くからでも識別しやすいデザインでした。このデザインは、当時のフェリーの一般的なスタイルであり、親しみやすい印象を与えていました。

まとめ

「ほわいとさんぽう」は、三宝海運の黎明期を支えた重要なフェリーであり、その後の数々の変遷を経て、現在もインドネシアで活躍を続けています。その歴史は、海運業界のダイナミックな変化と、船舶が持つ不変の役割を物語っています。この船の物語は、単なる船の歴史を超えて、人々の生活と深く結びついた海のロマンを象徴するものと言えるでしょう。

脚注

* MarineTraffic.com - PANORAMA NUSANTARA - 自動船舶識別装置（AIS）による現在位置表示
https://www.marinetraffic.com/en/ais/details/ships/shipid:172662/mmsi:525001894/imo:7124350/vessel:PANORAMA%20NUSANTARA

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