ましゅう (補給艦)

海上自衛隊補給艦「ましゅう」の艦歴

ましゅう（JS Masyu, AOE-425）は、海上自衛隊のましゅう型補給艦の1番艦です。艦名は摩周湖に由来しています。本記事では、同艦の2004年の就役から2024年までの艦歴について詳述します。性能や装備等の概要については、ましゅう型補給艦に関する資料を参照ください。

就役と初期活動

「ましゅう」は、中期防衛力整備計画に基づき建造されました。2002年1月21日に三井造船玉野事業所で起工、2003年2月5日に進水、そして2004年3月15日に就役し、護衛艦隊に編入、舞鶴に配備されました。

就役直後の2004年11月25日には、テロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「ちょうかい」、「おおなみ」と共に、第11次派遣海上補給支援部隊としてインド洋に派遣されました。パキスタン海軍への燃料補給等を行い、2005年3月まで活動した後、5月10日に帰国しました。帰国時には映画「男たちの大和/YAMATO|男たちの大和_YAMATO」の撮影に協力、航行シーンや歓迎の様子が記録されています。

2006年4月3日には、護衛艦隊隷下に新編された第1海上補給隊に編入されました。同年6月には第16次派遣海上補給支援部隊としてインド洋に派遣され、11月まで活動、12月22日に帰国しています。

多様な任務と国際協力

2008年4月と2009年11月には、それぞれ護衛艦「いかづち」と共にインド洋に派遣されました。2010年1月15日の新テロ特措法失効に伴い活動は終了し、2月6日に帰国しました。

2011年には東日本大震災の災害派遣にも参加しています。2012年には、海氷に閉じ込められた砕氷艦「しらせ」の救援のため、輸送艦「おおすみ」と共に南極海への緊急派遣が決定されましたが、「しらせ」の無事な脱出により派遣は中止されました。

2015年には、フィリピンで開催された米太平洋艦隊主催の医療・文化活動「パシフィック・パートナーシップ2015（PP15）」に参加し、米海軍大型病院船「マーシー」への洋上給油を実施しました。

2019年には、日豪共同訓練「日豪トライデント」に参加、2021年にはフランス海軍との共同訓練で洋上補給を実施し、「自由で開かれたインド太平洋」構想への貢献を果たしました。

近年の活動と塗装変更

2021年には、ロービジ塗装に変更されました。これは、煙突頂部の黒帯の廃止、艦番号と艦名の灰色化・無影化、飛行甲板上の対空表示の消去などを含むものです。

2023年には、日本海で米海軍駆逐艦「バリー」、「ラルフ・ジョンソン」との日米共同訓練（ILEX23-2、ILEX23-3）を実施し、2024年には東シナ海で米沿岸警備隊巡視船「ワエシュ」との日米共同訓練（ILEX24‐3）を実施しました。

現在も護衛艦隊第1海上補給隊に所属し、舞鶴を定係港としています。

参考文献

石橋孝夫『海上自衛隊全艦船 1952-2002』（並木書房、2002年）
『世界の艦船 増刊第66集 海上自衛隊全艦艇史』（海人社、2004年）
* 『JShips2021年10月号』イカロス出版〈隔月刊JShips〉、2021年10月、14-17頁。

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