また逢う日まで (1950年の映画)

映画『また逢う日まで』の魅力

『また逢う日まで』は、1950年3月21日に公開された日本の映画で、東宝が製作・配給を担当しました。この映画は、戦争の影響を受けた恋愛物語を描いた作品で、監督は今井正が担当し、モノクロ映像で111分の長さとなっています。本作は、東宝の自主製作再開第2作目であり、映画としての位置づけが重要な作品です。

ストーリーの背景

物語は、昭和18年の東京を舞台に展開されます。この時期、東京は空襲にさらされ、戦争の影響が人々の生活に深く影響を与えていました。主人公の田島三郎は、地下鉄のホームで美術学校の学生である小野螢子と出会います。三郎は、軍国主義に従って生きる父や陸軍中尉の兄に反発し、母親と2人暮らしをしながらも、明るい未来を信じて生きる螢子に強く惹かれていきます。

恋の高まりと別れ

二人は純粋な恋情を育むものの、戦況は徐々に厳しくなり、やがて三郎には召集令状が届いてしまいます。この知らせは二人にとって、著しい悲劇の始まりを象徴しています。戦争によって引き裂かれる恋の姿は、視聴者に戦争の残酷さを訴えかける重要なテーマとなっており、この物語を印象的かつ感動的にしています。特に岡田英次と久我美子によるガラス越しのキスシーンは有名で、戦争下における愛の儚さと切なさを強く反映しています。

スタッフとキャスト

本作は多くの優れたスタッフによって支えられました。監督の今井正をはじめ、脚本は水木洋子と八住利雄が担当。撮影は中尾駿一郎が、音楽は大木正夫が手掛けています。キャストには、岡田英次や久我美子ほか、滝沢修、河野秋武などの実力派俳優が揃っています。

評価と受賞歴

『また逢う日まで』は良好な評価を受け、さまざまな映画賞で受賞しています。第24回キネマ旬報ベスト・テンでの第1位を始め、第5回毎日映画コンクールや第1回ブルーリボン賞での作品賞、監督賞を受賞しました。また、本作は1979年から2009年にかけて、日本映画史上のベストランキングでも高評価を得ており、数々のアンケート結果でも高い順位を記録しています。

テレビドラマ化

この映画は、1963年にはNETの『日本映画名作ドラマ』としてテレビドラマ化され、幅広い視聴者に親しまれることとなります。

『また逢う日まで』は、戦時中の恋愛を描きつつ、戦争の悲劇を強く訴えた作品であり、今でも多くの人々の心に残る名作です。戦争がもたらす影響と、人間の愛の力を考えさせるこの映画は、日本映画の貴重な財産と言えるでしょう。

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