みずがめ座EZ星

みずがめ座EZ星（EZ Aquarii）は、みずがめ座の方向に位置する、地球から約11.3光年（3.45パーセク）の距離にある三重連星系です。この星系は、「ルイテン789-6」や「グリーゼ866」という名称でも知られています。

この星系を構成する3つの恒星は全て、太陽よりもずっと小さい赤色矮星です。かつては二重連星系と考えられていましたが、その後の観測により、より複雑な構造を持つ三重連星系であることが判明しました。具体的には、恒星Aと恒星Cが非常に近い距離で連星を成しており、この連星の周りを恒星Bが公転しているという構造です。

恒星Aと恒星Cは、わずか0.03天文単位（au）という非常に近い距離で互いに公転しており、その公転周期はわずか3.8日です。この連星系に対して、恒星Bは約823日という周期で公転しています。恒星Aと恒星Bからは強いX線が放出されており、これは赤色矮星特有の活動的な磁場活動によるものと考えられます。

この星系の注目すべき点は、連星系を構成する恒星の周りに、生命が存在可能なハビタブルゾーンが存在する可能性があるという点です。そのため、この星系には周連星惑星が存在する可能性があり、将来の探査において生命の痕跡を発見できる可能性も期待されています。

みずがめ座EZ星は、約3万2300年後に太陽系に約8.2光年（2.5パーセク）まで最接近すると予測されています。この最接近は、みずがめ座EZ星の研究にとって、またとない機会となると考えられます。また、ChViewシミュレーションによると、この連星系に最も近い恒星は、ラカーユ9352であり、その距離は約4.1光年（1.3パーセク）です。

みずがめ座EZ星は、その複雑な構造と生命の存在可能性から、天文学者にとって非常に興味深い研究対象となっています。今後の観測や研究によって、さらに多くの発見が期待される星系です。

関連情報

近い恒星の一覧

外部リンク
SolStation.com EZ Aquarii

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