やくざ番外地 抹殺

『やくざ番外地 抹殺』：関東進出と復讐の抗争劇

1969年11月22日公開の『やくざ番外地 抹殺』は、柳瀬観監督、丹波哲郎主演による任侠映画です。日活が配給を務め、人気シリーズ『やくざ番外地』の第2弾として話題を呼びました。

本作は、関西を拠点とする暴力団・銀誠会の関東進出を軸に物語が展開します。銀誠会は、川崎を縄張りに持つ高見組と激しい抗争を繰り広げます。高見組の組長・高見政次が不在の中、組の幹部である伊沢庄三が、組織を守るため奮闘します。

抗争の中で、高見組の組員である早川進は、かつての敵である銀誠会会長・村島に重傷を負わせます。この事件をきっかけに、早川は銀誠会の標的となり、命を狙われる身となります。復讐と抗争、それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語は緊迫感を増していきます。

丹波哲郎演じる高見政次は、組のリーダーとして、不在ながらも物語全体に大きな影を落とします。その存在感は、物語の重厚感を際立たせています。一方、中丸忠雄演じる伊沢庄三は、組の危機を救うキーパーソンとして、その活躍が物語の重要な部分を担っています。渡哲也演じる早川進の復讐劇も、物語に緊張感と深みを与えています。

脇を固めるキャスト陣も豪華です。葉山良二、有沢正子、高倉みゆきといったベテラン俳優に加え、若手俳優も多数出演し、それぞれのキャラクターが物語に彩りを添えています。

スタッフについても、ベテラン揃いです。脚本は山崎巌と西田一夫、音楽は伊部晴美、撮影は萩原泉など、多くの映画作品で実績を残したスタッフが参加。彼らの高い技術と経験が、作品全体のクオリティを高めています。

キャスト

高見政次：丹波哲郎
伊沢庄三：中丸忠雄
貝塚武：葉山良二
南条房江：有沢正子
宇田紀子：高倉みゆき
伊沢みゆき：安城由貴
水上洋子：丘みつ子
クラブのママ：山本彩記子
村島春市：植村謙二郎
中山辰夫：永山一夫
寺坂国文：山本耕一
本波大五郎：小林重四郎
大田栄三：相原昇
秀：福岡正剛
相原昇：木島一郎
土屋茂：小柴隆
世話人：永島浩
刺客：滝佐太郎
宇田：雪丘恵介
看護婦：麻生いく子
鉄：水木つよし
同心会幹部：晴海勇三
宇田組組員：玉井謙介
銀誠会幹部：北九州男
サブ：志賀正文
早川進：渡哲也

スタッフ

監督：柳瀬観
脚本：山崎巌、西田一夫
製作：佐藤行雄、浅田健三
音楽：伊部晴美
撮影：萩原泉
照明：三尾三郎
美術：入野達彌
録音監督：米津次男
録音：アオイスタジオ
編集：松原映画
助監督：美坂哲也
製作担当：滝沢勝治
現像：東洋現像所
製作：日本アカデミープロダクション

同時上映

『朱鞘仁義 鉄火みだれ桜』（原作：藤田五郎、脚本：長田紀生、監督：斎藤茂市、主演：扇ひろ子）

映像ソフト

VHSビデオソフトが日活から発売されましたが、現在は廃盤となっており、DVD化もされていません。

『やくざ番外地 抹殺』は、高度経済成長期の日本社会における暴力団抗争を、迫力ある映像と俳優陣の演技で描き出した作品です。現在では入手困難な作品ですが、任侠映画ファンにとって、貴重な資料となっています。

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