佐藤行雄

佐藤行雄について

佐藤行雄氏は、1939年10月6日生まれの日本の外交官です。現在は、公益財団法人日本国際問題研究所の副会長、公益財団法人日本国際フォーラムの政策委員、そして公益財団法人浄土宗ともいき財団の理事長という要職を兼任しています。神奈川県出身で、そのキャリアは外交官として多岐にわたります。

学歴と外務省入省

佐藤氏は、私立芝中学校・高等学校を卒業後、東京大学法学部に進学しました。しかし、1961年3月に同大学を中退し、同年4月に外務省に入省しました。外務公務員採用上級試験には1960年9月に合格しています。

外務省でのキャリア

外務省入省後、佐藤氏は英語研修のためエジンバラ大学に留学。その後、情報文化局報道課、アメリカ局北米第一課といった部署を経験しました。1970年8月には在米国大使館一等書記官として、初の海外勤務を経験します。

1973年8月には大蔵省主計局主計官補佐（科学技術・文化担当）として出向。1975年8月には外務省大臣官房総務課機能強化対策室長、1976年8月にはアメリカ局安全保障課長に就任。1977年11月には園田直外務大臣の秘書官事務取扱を務めました。1979年11月にはアジア局調査官、12月には在イギリス大使館参事官となり、イギリス国際戦略問題研究所の研究員も兼務しました。

1981年7月にはロンドン総領事も兼務。その後、1984年1月17日に警察庁警務局付となり、同年2月17日には宮崎県警察本部長に就任という異例の人事も経験しています。1985年9月13日には警察庁警務局付から即日外務大臣官房外務参事官となり、10月11日には外務省大臣官房総務課長に就任。1987年11月1日には外務省大臣官房審議官（国会担当）となりました。

大使としての活躍

1988年8月1日には香港総領事、1990年1月23日には外務省情報調査局長、1992年1月17日には北米局長と要職を歴任。1994年3月1日には外務省大臣官房となり、同年5月12日には駐オランダ大使に任命されました。その後、1996年1月5日には駐オーストラリア大使、1998年9月4日には国際連合日本政府代表部常駐代表（大使）として、国際舞台で活躍しました。

退官後の活動

2002年9月27日に外務省を退官後も、佐藤氏の活動は多岐にわたります。2003年2月には財団法人日本国際問題研究所の理事長に就任。2003年6月には東京瓦斯株式会社の取締役に就任しましたが、2004年12月6日に退任しています。2004年12月7日には国家公安委員会委員に就任しましたが、2009年12月に退任。

2009年2月には、日本国際問題研究所の副会長に就任し、現在に至ります。また、2010年6月には東京瓦斯株式会社の取締役に再任しましたが、2015年6月に退任。2015年11月には瑞宝重光章を受章。2016年4月からは公益財団法人浄土宗ともいき財団の理事長を務めています。

同期入省者

外務省入省同期には、柳井俊二氏、吉田重信氏（駐ネパール大使）、兵藤長雄氏（東経大教授、駐ベルギー大使、欧亜局長）、塚田千裕氏（駐ブラジル大使、法務省入管局長）、高橋雅二氏（駐豪大使、法務省入管局長）、川上隆朗氏（JICA総裁、駐インドネシア大使）、池田拓治氏（大臣官房付）、小原武氏（駐イラン大使、中近東アフリカ局長）、丸山俊二氏（駐チェコ大使）、江口暢氏（駐トリニダード・トバゴ大使）、内田勝久氏（駐加大使）など、多数の著名な外交官がいます。

著作

佐藤氏は、『差し掛けられた傘―米国の核抑止力と日本の安全保障』（時事通信社、2017年）という著書も執筆しており、外交官としての経験と知見に基づいた安全保障に関する考察を著しています。

佐藤行雄氏は、その長きにわたる外交官としての経験と、退官後の幅広い活動を通じて、日本の国際社会における存在感を高めることに貢献しています。

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