葉山良二

葉山良二：日活スターから個性派俳優へ

葉山良二（1932年11月9日 - 1993年1月3日）は、日本の俳優として長く活躍した人物です。千葉県鴨川市出身、本名は山口良一郎。端正な顔立ちと確かな演技力で、多くの映画やテレビドラマに名を残しました。

ミスター平凡から日活スターへ

1953年、日本大学経済学部在学中にミスター平凡グランプリを受賞。このことがきっかけとなり、日活第2期ニューフェイスとして芸能界入りを果たします。1950年代後半の日活黄金期には、数々の青春映画やメロドラマに出演。当時のスター俳優として人気を博しました。代表作には『乳房よ永遠なれ』、『ただひとりの人』シリーズなど、多くの作品があります。

映画産業の変革とテレビドラマへの転身

1960年代以降、映画産業の斜陽化が進展すると、活動の拠点をテレビドラマに移行します。時代劇から現代劇まで幅広いジャンルで活躍し、その存在感はさらに増していきます。

個性的な演技と代表作

テレビドラマにおいても、葉山良二は高い評価を得ました。特に『非情のライセンス』の四方刑事役や『特別機動捜査隊』の日高主任役は、彼の代表作として広く知られています。端正な顔立ちとは対照的に、重厚な悪役や時代劇の黒幕を演じ分けるなど、幅広い役柄を巧みに演じきりました。その演技には、独特の重みと存在感があり、多くの視聴者を魅了しました。

家族と女優デビューした娘

私生活では、女優の浜田ゆう子と結婚し、一女をもうけました。娘の葉山知穂は、1990年に女優としてデビューしています。

晩年と死去

1993年1月3日、心不全のため大阪市の病院で死去しました。享年60歳でした。多くの作品で印象深い演技を残し、日本の俳優界に大きな足跡を残した葉山良二の死は、多くのファンに惜しまれました。

映画出演作品

日活作品を中心に多数出演。
乳房よ永遠なれ (1955)
ただひとりの人 (1956)
東京の人 (1956)
続・ただひとりの人 (1956)
乙女心の十三夜 (1956)
黒帯有情 花と嵐 (1956)
青い怒涛 (1956)
最後の戦斗機 (1956)
しあわせはどこに (1956)
続・飢える魂 (1956)
花の運河 (1956)
川上哲治物語 背番号16 (1957)
その他多数

東映作品などにも出演。
関東テキヤ一家 喧嘩仁義 (1969)
懲役三兄弟 (1969)
トラ・トラ・トラ! (1970)
その他多数

テレビドラマ出演作品

数多くのテレビドラマに出演。
非情のライセンス (四方刑事役)
特別機動捜査隊 (日高主任役)
三匹の侍
プレイガール
徳川おんな絵巻
キイハンター
荒野の素浪人
暴れん坊将軍シリーズ
その他多数

舞台出演作品

数々の舞台作品にも出演。
北島三郎・岡田茉莉子 特別公演『あばれ無法松』
山本譲二 特別公演『望郷しぐれ』
北島三郎 特別公演『国定忠治外伝・流転笠』
その他多数

音楽活動

シングルレコード『哀愁の園』を発売（1957年）。

葉山良二は、映画、テレビドラマ、舞台と多方面で活躍し、その演技力は高く評価されました。多くの作品を通じて、日本のエンターテインメント界に多大な貢献をした俳優として、今後も記憶に留められることでしょう。

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