やすらぎの道

やすらぎの道：奈良市の安全とやすらぎを繋ぐ道

奈良市のやすらぎの道は、市道六条奈良阪線と市道登美ヶ丘中町線の一部区間を指す愛称で、特に六条奈良阪線の八軒町東交差点から法蓮仲町交差点間の区間がよく知られています。この道路は、高度成長期、自動車社会への対応として、従来の狭隘な道路を拡張整備する計画の一環で誕生しました。

やすらぎの道の整備と特徴

やすらぎの道の整備は、1969年（昭和44年）に市道六条奈良阪線の奈良阪町～三条通り間の工事が完了したことに始まり、その後、三条通り～八軒町東交差点間が開通しました。しかし、やすらぎの道としての整備は、1972年（昭和47年）末から奈良市長だった鍵田忠三郎氏によって推進され、1973年（昭和48年）に完成しました。

鍵田氏は、ドライバーが安全に走行できる道路を目指し、スピードを出しにくい設計を導入しました。具体的には、交差点の手前にこぶし大の鉄球を埋め込んだり、カラー舗装やキャッツアイを設置したり、沿道に花壇を設けたりするなど、様々な工夫が凝らされました。しかし、鉄球による苦情が相次ぎ、1987年（昭和62年）に撤去されました。

また、路側には路上パーキングが1988年（昭和63年）2月から設置されていましたが、2014年（平成26年）3月に撤去されました。八軒町東交差点から馬場町間の区間には、自転車専用通行帯が設けられています。

近年では、2022年（令和4年）6月12日に409メートルの区間が延伸され、JR万葉まほろば線をくぐるアンダーパスを経て奈良県道122号京終停車場薬師寺線に接続しました。さらに、西への延伸工事が進められており、2027年3月末の完成を目指しています。

やすらぎの道の周辺環境

やすらぎの道は、奈良市中心部を南北に貫く全長約2キロメートルの対向2車線の道路で、商業地、住宅地、学校、寺社仏閣などが混在するエリアを通っています。近鉄奈良駅直上に位置し、国道369号との交点である高天交差点付近は、特に交通渋滞が発生しやすい場所です。

沿道には、近鉄奈良駅周辺に証券会社の店舗が集中しているほか、過去には奈良ビブレ（1990年～2013年）や奈良郵便局（1981年まで）がありました。奈良郵便局跡地には、1984年（昭和59年）に奈良市中央公民館が完成しました。やすらぎの道の北側には鴻ノ池運動公園があり、2006年（平成18年）までは奈良ドリームランドも存在していました。

やすらぎの道と奈良

やすらぎの道は、単なる道路ではなく、奈良市の歴史、文化、そして未来を象徴する存在です。高度成長期からの都市開発の歴史、交通安全への取り組み、そして現在も続く延伸工事は、この道の持つ多様な側面を物語っています。これからも、奈良市の発展とともに、安全で快適な街路空間としての役割を担っていくでしょう。

主な接続路線

やすらぎの道は、多くの道路と交差しています。主要な接続路線を以下に示します。（交差点名または地名）

八軒町東交差点
法蓮仲町交差点
上三条町交差点（スクランブル交差点、奈良県初）
高天交差点（国道369号との交点）

周辺には、ならまち、伝香寺、率川神社、漢國神社、近鉄奈良駅、奈良合同公証役場、奈良きたまち、慈眼寺、奈良女子大学、佐保川などがあります。

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