奈良ビブレ

奈良ビブレ：若者文化の中心地から閉店の歴史

奈良県奈良市小西町に位置していた「奈良ビブレ」は、多くの若者にとって思い出深い商業施設でした。1968年11月、総合スーパー「ニチイ奈良店」として開業。その後、1990年6月に「奈良ビブレ」へと業態転換し、若い女性をターゲットとしたファッションビルとして、奈良の街に新たな活気をもたらしました。

小西通商店街とやすらぎの道の間に立地するビブレは、最盛期には約50ものテナントが軒を連ね、地域の人々や近隣の学生らで賑わっていました。特に、地下1階に位置する啓林堂書店は、2009年の増床リニューアルを経て、大型書店として多くの人々に利用されていました。その他にも、コナミスポーツクラブ、メガネの三城、セリアなど、多様なテナントが入り、幅広い層の顧客に支持されていました。

しかし、時代と共に変化は訪れます。近年のイオンモールなどの大型商業施設の進出や、大阪などの都市部にある百貨店との競争激化により、奈良ビブレの売上はピーク時の4分の1まで減少。テナント数も33店まで減少し、経営は深刻な状況に陥りました。

2012年7月18日、イオンリテールは奈良ビブレの閉店を発表。同年9月19日には、イオンリテール、損害保険ジャパン、日本生命保険の3社から浅川ハーベストビルへ土地と建物の売却が完了しました。そして、2013年1月20日、多くの思い出と共に奈良ビブレは閉店の幕を閉じました。

閉鎖後、浅川ハーベストビルは2013年2月から8月にかけて解体され、跡地にはマンション建設が計画されていると報道されました。奈良ビブレの閉鎖は、時代の流れとともに商業施設が変化していくことを象徴する出来事であり、かつての活況を記憶する人々にとって、今もなお記憶に残る出来事です。

奈良ビブレは単なる商業施設ではなく、多くの人々の青春や思い出が詰まった場所でした。若者文化の中心地として親しまれたその歴史は、奈良の街の歴史に深く刻まれています。閉鎖後も、SNS上では閉鎖を惜しむ声や、当時の思い出を語る声が数多く見られます。

主なテナント

啓林堂書店（地下1階）：大垣書店との業務提携による増床リニューアルを実施（2009年11月27日）。
コナミスポーツクラブ（地下1階）
メガネの三城（4階）
セリア（4階）

関連事項

マイカル
ビブレ
* 小西さくら通り商店街

閉鎖された奈良ビブレですが、その存在感は今もなお、奈良市民の記憶の中に鮮明に残っています。

もう一度検索