やまゆき (練習艦)

やまゆき（JS Yamayuki, TV-3519, DD-129）

やまゆきは日本の海上自衛隊に所属する練習艦で、はつゆき型護衛艦の8番艦です。この艦は長い歴史を持ち、後に練習艦に改編され、しまゆき型練習艦の4番艦としても知られています。艦名は「山に降る雪」という意味を持つ「山雪」に由来していますが、これは旧海軍を通じて初めての試みでもあります。

この艦艇は、フォークランド紛争から得た教訓をもとに、上部構造物を全鋼化し抗堪性を向上させることを目指して設計されました。このため、排水量は基準で100トン、満載時には200トン増加し、吃水も0.2メートル増えて4.4メートルとなっています。また、フィンスタビライザーについても、初期にはイギリスのヴォスパー社製が使われていましたが、その後は三菱重工業でのライセンス生産に切り替えられました。

艦歴

やまゆきは、昭和56年度の計画に基づき、1983年2月25日に日立造船舞鶴工場で起工されました。その後、1984年7月10日に進水し、1985年12月3日に正式に就役しました。就役後は呉に配備され、直轄艦として第2護衛隊群に所属しました。

1986年3月19日には新たに編成された第44護衛隊に移り、同じく就役した「まつゆき」と共に同部隊に配属されました。また、1987年には遠洋練習航海に参加し、1988年には環太平洋合同演習（RIMPAC）にも参加。1989年には、米海軍のミサイル巡洋艦「スタレット」とともに日米士官候補生交歓訓練を行いました。

1991年から1992年にかけては、練習艦「かとり」と護衛艦「はつゆき」と共にヨーロッパ各地を回る遠洋練習航海に参加し、その後も定期検査や装備の更新が行われます。

1993年には、OQR-1戦術曳航ソナーを新たに搭載し、1994年にはその改装が完了しました。1997年3月24日に第44護衛隊は第2護衛隊に改称され、1998年には第4護衛隊群の第8護衛隊に編入されました。2001年以降、しばらくの間、呉地方隊第22護衛隊に所属していましたが、2008年には護衛艦隊隷下に再編成されました。

2011年3月11日に発生した東日本大震災に際しては、災害派遣に向かい、その後3月16日に第11護衛隊に編入されると、定期港が呉から横須賀に移動しました。2016年4月27日には、練習艦に種別変更され、艦籍番号もTV-3519に改編されたのです。

やまゆきは、その後も訓練に参加し続け、2019年には観艦式に参加するために横須賀に移動しましたが、悪天候により中止となってしまいました。最終的に2020年3月19日に除籍され、通算で801,550.3海里、地球を32周相当の航程を誇りました。艦内で使用されていた品々は、初めて行われた防衛省のせり売りに出品されるなど、艦の歴史とともに次の世代へと引き継がれることとなりました。

やまゆきは、その改良と技術の進化を通じて、多くの任務を遂行し、海上自衛隊の重要な一翼を担ってきました。

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