らくらくホンシンプル

らくらくホン シンプルは、三菱電機がNTTドコモのFOMA回線向けに開発した携帯電話端末、FOMA D880SSのブランド名です。型番末尾の「SS」はSuper Simpleの略で、その名の通り、非常にシンプルな設計が特徴です。

概要

この端末は、音声通話に特化した異色の存在として登場しました。丸みを帯びたストレート型のボディには、モノクロの1.3インチディスプレイと大きめの数字キーが配置されています。数字のフォントには、同社のエレベーターで使われているGill Sans Mediumが採用されており、視覚的な分かりやすさに加え、触感でも認識しやすいよう配慮されています。カラーバリエーションは、当初プラチナのみでしたが、後にホワイトが追加されました。

iモードへの対応は削除され、型番にも「i」の文字は含まれていません。ユーザーによるメッセージの作成や受信もできません。その代わりに、新しく「見守り通知」機能が搭載されました。これは、端末を充電スタンドに置くと、あらかじめ設定した電話番号宛にSMSを送信する機能で、高齢者の安否確認などに役立ちます。

このようなシンプルな装備と操作体系は、ツーカー（KDDI）のツーカーSを意識した設計であると考えられます。ツーカーSやauの簡単ケータイS（A101K）ではディスプレイが排除されていましたが、らくらくホン シンプルでは、「かけた番号が分からない」「どこから電話がかかってきたのか分からない」といった問題を解決するため、小型ながらもディスプレイが搭載されています。また、マナーモードが搭載されている点も、他のシンプル端末との差別化ポイントとなっています。

NTTドコモは、このらくらくホン シンプルを通じて、高齢者層の獲得を狙っていました。しかし、メーカーである三菱電機が携帯電話事業から撤退したこと、さらにauの簡単ケータイSシリーズも販売終了となったことで、この種の端末は市場から姿を消すこととなりました。現在では、実質的な後継機として見守り歩数計 Mi-Look（KYY03）が発売されていますが、らくらくホン シンプルは、三菱電機が発売した唯一のらくらくホンとなりました。以降、らくらくホンシリーズは富士通（現FCNT）以外のメーカーからは発売されていません。

歴史

2005年10月3日：開発発表
2005年10月26日：技術基準適合証明 (TELEC) 通過
2005年10月28日：電気通信端末機器審査協会 (JATE) 通過
2005年12月16日：発売開始
2006年12月8日：ホワイトモデル追加

不具合

NTTドコモおよび三菱電機からは、特に報告されていません。

脚注

特になし

関連項目

らくらくホン
FOMAらくらくホンII
FOMAらくらくホンIII
らくらくホンベーシック

外部リンク

らくらくホンシンプル（D880SS）サポート情報

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