簡単ケータイS

簡単ケータイSとは

簡単ケータイSは、KDDI（au）が展開していた通話に特化した携帯電話シリーズです。高齢者層を主なターゲットとし、操作の簡便さを重視した設計が特徴です。このシリーズには、京セラ製のA101Kとパンテック製のPT001の2機種が存在しました。

開発の背景

簡単ケータイSの開発には、KDDIの関連会社であったツーカーが発売した高齢者向け端末「ツーカーS」の成功が大きく影響しています。ツーカーSは、65歳以上の高齢者層に好評を博し、そのau版として開発されたのがA101Kです。特に、ツーカーのサービスエリア外の地域でのニーズに応えるため、必要最低限の機能に絞ったモデルとして登場しました。

A101Kの特徴

京セラ製のA101Kは、ツーカーSの基本機能を継承しつつ、使いやすさを向上させるための改良が加えられました。特に、よくかける電話番号を登録できる3つのワンタッチボタンが追加された点が大きな特徴です。これらのボタンには、相手の名前を記入できるシールが付属し、さらに、端末の電話番号を書き込めるクリップ付きストラップも同梱されていました。

しかし、A101Kは、その後の需要が伸び悩み、2007年度中に製造が終了しました。さらに、2009年8月には、従来のCDMA 1Xサービスの新規受付が終了したため、A101Kは同年6月に販売を終えることとなりました。

PT001の特徴

A101Kの販売終了後、後継機種として登場したのがパンテック製のPT001です。PT001は、A101Kとほぼ同じ外観を持ちながら、au ICカードに対応し、トライバンド（L800MHz・N800MHz・2GHz帯）に対応するなど、機能が強化されました。また、通話品質の向上や、宅内用小型基地局「auフェムトセル」への対応など、より快適な利用環境が提供されました。

A101KとPT001の共通機能

両機種に共通する主な機能は以下の通りです。

ワンタッチボタン: 3件まで電話番号を登録可能
マナーモード: 呼出音量を切り替え可能
読み上げ機能: 自身の電話番号やワンタッチボタンに登録した番号を読み上げ可能（ソフトウェアアップデートにて対応）

PT001のみのオリジナル機能

PT001には、以下のA101Kにはない独自の機能が搭載されています。

au ICカード対応: R-UIMカードに対応
トライバンド対応: L800MHz、N800MHz、2GHz帯に対応
ケータイアップデート: ソフトウェアの更新に対応
auフェムトセル対応: 宅内用小型基地局に対応
高帯域補正: 通話時の音質を向上
防水機能: IPX5/IPX7等級の防水性能

歴史

A101K

2005年9月6日: KDDIおよび京セラより公式発表
2005年10月15日: 関東・沖縄地区で発売開始
2005年10月20日: 中部・関西地区で発売開始
2005年10月21日: その他の地区で発売開始
2006年6月19日: ソフトウェアアップデートにより、自局番号とワンタッチボタン登録番号の読み上げ機能を追加
2009年6月: 販売終了
2012年7月22日: L800MHz帯サービスの停波により利用不可

PT001

2010年5月17日: KDDIおよびパンテックワイヤレスジャパンより公式発表
2010年8月10日: 全国一斉発売
2010年8月17日: ソフトウェアアップデートにより、自局番号とワンタッチボタン登録番号の読み上げ機能を追加。ただし、翌月以降に更新する場合はauショップでの作業が必要
2011年4月14日: ケータイアップデートにより、通話品質が向上（EVRC-B対応）
2011年12月: 関東地区での販売終了
2012年1月: 中部・関西・四国地区での販売終了
2012年4月: 北海道・東北・沖縄地区での販売終了
2012年7月22日: L800MHz帯サービスの停波により、N800MHz帯および2GHz帯で利用可能に
2013年2月: 九州地区での販売終了
2013年3月: 北陸地区での販売終了
2022年3月31日: auの3Gサービス完全終了により利用不可

A101Kのバッテリーパックに関する不具合

2007年6月、A101Kの電池パックの一部に、内部の損傷により発熱や膨張、発煙、破損の可能性があることが判明しました。KDDIは、対象となる電池パックの交換対応を実施しました。

関連項目

ツーカーS
簡単ケータイ K003/K004/K005/K008/K010/K012/KYF32
K006
PT002
mamorino/mamorino2/mamorino3
Mi-Look
らくらくホンシンプル
かんたん携帯
イエデンワ

簡単ケータイSは、高齢者や携帯電話の操作に不慣れなユーザーにとって非常に使いやすい端末でした。そのシンプルさと使いやすさは、後継機種にも受け継がれています。

外部リンク

簡単ケータイS A101K
簡単ケータイS PT001

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