ろくぶんぎ座

ろくぶんぎ座の詳細

ろくぶんぎ座（ろくぶんぎざ、ラテン語: Sextans）は、17世紀末に天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスによって創った星座です。この星座は、六分儀をモチーフにしており、現代の88星座の一つとして知られています。

特徴と位置

ろくぶんぎ座は、しし座と海蛇座、さらにコップ座に囲まれた位置にあります。この星座は天の赤道を越えているため、地球上のほぼ全ての地域から観測することが可能です。特に北半球では、主に春の時期に見ることができ、観察の最適期は4月下旬の20時頃です。しかし、明るい星を持たないため、他の星座に比べて目立たない存在となっています。

由来と歴史

ろくぶんぎ座の誕生は、ポーランド出身の天文学者ヘヴェリウスに遡ります。彼の死後、妻によって出版された著書『Prodromus Astronomiae』に最初の記録があり、ここでは「Sextant Uraniæ」として記されています。ヘヴェリウスは、六分儀を用いて肉眼で天体の位置を正確に観測しましたが、1679年には火災で多くの観測器具を失っています。この火災を悼む意味でも、六分儀を基にしたこの星座が名付けられたのです。また、彼はしし座と海蛇座の間にこの星座を配置した理由について、占星術的な意義を説いています。

時が経つにつれて、他の天文学者たちとの間で星座名の短縮や変化がありました。イギリスの天文官ジョン・フラムスティードによって「Uraniæ」が省かれた「Sextans」という名前が広まり、最終的には国際天文学連合によってその名は正式に認定され、現在のように「Sextans」と呼ばれています。特筆すべきは、1879年にアメリカの天文学者ベンジャミン・グールドが星にギリシャ文字の符号を付けたことです。彼の付けた符号は、現在も使われ続けています。

中国におけるろくぶんぎ座

中国においても、ろくぶんぎ座は知られており、1752年に完成した星表『欽定儀象考成』では、二つの星が28宿に配されていました。これは、ろくぶんぎ座の名が他の文化でも重要視されていることを示しています。

神話や呼称

ろくぶんぎ座が創設されたのは比較的新しいため、特に神話や伝説はありませんが、言語や地域による呼称が存在します。日本では「ろくぶんぎ」という名称が採用され、歴史的背景も持っています。

主な天体

ろくぶんぎ座にはいくつかの恒星があり、国際天文学連合に認証された恒星も2つ存在します。特に、HD 86081やWASP-43といった恒星にはそれぞれ独自の名がついています。また、ろくぶんぎ座にはNGC 3115を含む銀河や星団があり、アマチュア天文家にとって魅力的な観測対象となっています。

流星群

ろくぶんぎ座の名前を冠した流星群、すなわちろくぶんぎ座昼間流星群（Daytime Sextantids）も存在します。この流星群はIAUのデータセンターに正式に認識されたもので、天文学的に重要な存在です。

このように、ろくぶんぎ座は多様な特徴と歴史を持つ星座であり、その魅力は多岐にわたります。

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