ろばの会

ろばの会の歴史とその影響

概要

ろばの会（ろばのかい）は、1955年から2000年まで活動していた日本の作曲家グループです。結成当初から「こどものうた」の創作に情熱を注ぎ、数多くの名曲を生み出しました。彼らの作品は、子供たちに親しまれ、教育や文化に寄与し続けました。

来歴

1955年、磯部俶の発案を受けて中田喜直を中心に、宇賀神光利、中田一次、大中恩を含む5人の作曲家が集まりました。このグループは、子供たちのために意味のある音楽と詩を提供することを目指しました。メンバーは当初30代の若手作曲家で、自らの納得のいく作品を制作することをモットーとしていました。

彼らは、従来の「童謡」のイメージを覆すために、「こどものうた」という新しい概念を提唱し、音楽之友社によって楽曲集『新しいこどものうた』を発表しました。大中恩は、従来の「童謡」という言葉に抵抗を感じながらも、この新しい名称が持つインパクトに引かれて会の活動に賛同しました。

詩人たちとのコラボレーションも進められ、サトウハチローや小林純一、まど・みちお、佐藤義美など、著名な詩人からの詩を基に作曲が行われました。彼らは友好的な競争の中で楽曲を議論し、時には一つの詩に対して複数の作曲者が曲を付けることもありました。

制作した楽曲

その活動を通じて生まれた楽曲には、「サッちゃん」、「犬のおまわりさん」、さらには「ちいさい秋みつけた」など、多くの親しまれる楽曲が含まれます。キングレコードのディレクター長田暁二は、彼らの楽曲のレコード化を積極的に推進し、会は新作中心のコンサートや楽譜集の出版も行いました。出された楽譜集は合計6冊、楽曲の総数は300曲を超えました。

1967年には宇賀神光利、1998年には磯部俶が逝去しましたが、そん中で彼らの活動は続けられました。1978年には『ろばの会のうた』が出版され、その業績に対して第8回日本童謡賞を受賞しました。

解散とその後

2000年3月、ろばの会は解散コンサートを開催しました。プロデューサーの西脇久夫のもと、壮大な最後の公演が行われました。中田喜直は、メンバー2人の死去を受けて、45年の歴史に一区切りをつけることになった旨を語りました。

解散後、2000年5月3日に中田が亡くなり、以降は「水芭蕉コンサート」が毎年開催されるようになりました。2015年には「ろばの会」結成60周年を祝う特別なイベントも行われました。

評価と遺産

結成当初のろばの会の主張は、三代目海沼実によって大正時代の文化運動と比較されています。彼は、彼らが作曲家としてやや音楽的な視点に偏っていたのではないかと指摘しています。

最後のメンバーであった大中恩も2018年に逝去し、ろばの会の全メンバーが故人となりましたが、彼らの作り上げた楽曲は今もなお、多くの人々に親しまれ、子供たちの心を育んでいます。このように、ろばの会は日本の音楽文化において重要な足跡を残した存在です。

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