ワキアカツグミ

ワキアカツグミ（脇赤鶫）

ワキアカツグミ（学名: Turdus iliacus）は、スズメ目ツグミ科に属する鳥類で、その鮮やかな体色が目を引きます。トルコでは国鳥として親しまれており、国際的にも注目される存在です。

分布

ワキアカツグミは、主に北方の寒冷な地域で繁殖します。具体的には、アイスランド、スカンジナビア半島、そしてロシア極東の広大な針葉樹林帯やツンドラ地帯が主な繁殖地です。これらの地域で繁殖を終えたワキアカツグミは、冬季になると温暖な地域へと渡りを行います。

越冬地としては、ヨーロッパ中部から南部、アフリカ北部、小アジア、中央アジアなどが挙げられます。これらの地域で冬を越し、再び繁殖地へと戻る生活環を持っています。

日本においては、ワキアカツグミは迷鳥として記録されています。これまでに北海道、千葉県、滋賀県、山口県、鹿児島県、沖縄県などで観察例があり、稀にその姿を見ることができます。

形態

ワキアカツグミは、体長約20cmとツグミの仲間の中では比較的小柄です。その最大の特徴は、体の脇と下雨覆に見られる鮮やかな橙褐色です。この色彩が、和名「ワキアカツグミ（脇赤鶫）」の由来となっています。

生態

ワキアカツグミは、森林や草原などの様々な環境に生息し、昆虫や果実、種子などを食します。繁殖期には、木の枝や茂みの中に巣を作り、数個の卵を産みます。渡りの時期には、群れをなして移動することがあります。

日本での記録

日本では、ワキアカツグミは非常に珍しい鳥であり、観察されることは稀です。しかし、記録されている地域は北海道から沖縄県までと広範囲に及んでおり、今後も新たな観察例が報告される可能性があります。

参考文献

五百沢日丸『日本の鳥 550. 山野の鳥』、文一総合出版、2014年3月、ISBN 978-4-8299-8400-0

関連項目

日本の野鳥一覧
* 迷鳥

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