わたしはキャワワワ!!

『わたしはキャワワワ!!』

概要

『わたしはキャワワワ!!』は、大亜門による日本の漫画作品で、集英社の『週刊ヤングジャンプ』にて2012年から2013年にかけて連載されました。もともとは『ミラクルジャンプ』に掲載された読切版『わたしはキャワワワ♡』を改題したものです。2015年からは電子書籍版も発売されています。

この作品は、ギャグ要素をふんだんに取り入れた変身ヒロインもので、キャッチコピーは「近距離パワー型バトルヒロインギャグ」です。パロディも大きな特徴で、作者が大ファンである『ジョジョの奇妙な冒険』をはじめ、『週刊ヤングジャンプ』の連載作品である『テラフォーマーズ』、『東京喰種トーキョーグール』、『嘘喰い』など、様々な作品のネタが盛り込まれています。

コミックスに収録されている「キャワワワ誕生秘話」によると、作者は過去に『ミラクルジャンプ』に掲載した「未来のジェノス」や、『週刊ヤングジャンプ』に掲載した「英雄製作所」といった読切作品が好評だったため、これらの連載ネームを描いていました。しかし、何度もリテイクを重ねるうちに迷走してしまい、人気を考えずに描いたのが本作とのことです。雑誌掲載時にはそれなりの反響があったようですが、「連載開始前に編集長に出された条件分の人気を得ることができず」打ち切りという結末を迎えています。

あらすじ

物語の主人公は、可愛い物好きな中学一年生の河合伊世。彼女は、ひょんなことからプリティランドからやってきた妖精・エイナスと出会います。エイナスに言われるままに謎のアイテム「プリティグロス」を塗ると、伊世は伝説の戦士『キャワワワ』に変身します。そして、別世界からやってきた悪の組織・テラキモス帝国と戦いながら、仲間を増やし、成長していく姿が描かれます。

登場人物

キャワワワ

各メンバーの名前は、エイナスによって各々の武器や能力から名付けられています。また、変身後の姿には、モチーフとなった動物があしらわれているのが特徴です。

河合 伊世（かわい いよ） / キャワクランプ
本作の主人公。中学一年生で、イメージカラーはピンク、動物モチーフはウサギです。可愛い物が大好きで、特にぬいぐるみには異常なほどの愛情を注ぎます。武器は、どんな物でも締め付ける工具（シャコ万力）型の『月万棒』（つきまんぼう）です。変身後の姿は身内からは単なるコスプレと受け入れられており、怪しまれていません。
ネーミングは「かわいいよ」の言葉遊びで、「クランプ」は工具のことです。
佐織 真琴（さおり まこと） / キャワレッスル
伊世のクラスメートで、イメージカラーはオレンジ、動物モチーフはイヌです。男勝りな性格で、幼少時代にオシャレをした際に周りから「似合わない」と非難されたことがきっかけで、可愛い物に触れることをためらっていました。しかし、伊世の呼びかけで「可愛いをあきらめない」ことに目覚め、キャワワワに変身します。柔道部所属で、戦闘ではその技を生かしています。
ネーミングは「男勝り」のアナグラムです。
宮城 アル（みやぎ アル） / キャワランチャー
伊世と真琴が知らぬ間にエイナスと交渉して変身した女子中学生。イメージカラーは黄色、動物モチーフは鳥です。破壊することが大好きで、その好奇心から暴走してしまう一面も持っています。いて座のB型です。
ネーミングは「アーミーギャル」のアナグラムです。
塚守 詩乃（つかもり しの） / キャワトラップ
伊世のクラスの学級委員。イメージカラーは青、動物モチーフはイルカです。物事に堅物な性格ですが、仲間を思いやる気持ちは人一倍強いです。
ネーミングは「しっかりもの」のアナグラムです。
LAY（レイ）
人気アーティスト。キャワワワとしての名前やカラーは不明で、動物モチーフはネコです。家出したエイナスがプリティリップグロスを取引材料として、彼女のところに転がり込んでいました。キャワワワの服を衣装として使っており、伊世たちの仲間にはなっていません。

プリティランドの住人

プリティア=プリティーナ
プリティランドの女王。下ネタとキモかわいいものが好きです。
エイナス
テラキモス帝国から世界を守るためにキャワワワを探しにやってきた妖精。口癖は『- アス』です。ウサギのぬいぐるみのような姿をしており、ボタンに似た目とアスタリスク状の口元が特徴です。見かけによらず性格は凶暴で、キャワワワの変身アイテムであるプリティグロスを口から唾液まみれで出し入れしています。頭はちぎれても単体で動けますが、どう見ても人間の下半身です。

テラキモス帝国

アブラハム将軍
テラキモス帝国の幹部。肥満体形で常に汗だくです。一人称は『オデ』で、語尾に『- デブ』とつけます。放屁で可愛い物を気持ち悪くさせる「キモイナー」に変えることができます。また、忠実な手下として操ることも可能です。急所である睾丸をキャワクランプ（伊世）に締め上げられたりと、何かと毎回ひどい目に遭っています。仮に自身を倒しても、キモイナーにされた物は元に戻らず、元に戻すにはキモイナーにされた物から自身の小型の分身が現れ、肛門の中へと戻っていく必要があります。
オナルシィ
テラキモス帝国の幹部。ナルシストで、ライトハンド奏法をギターなしで演奏します。キモイナーソングによって人間をキモイナー状態にすることができます。
キモォ
キモイデス総統の乗り物のような生き物。「┌（┌ ＾o＾）┐ホモォ…」がモチーフと考えられます。
ミスマッチョ
小顔で童顔ですが、体がマッチョという「ミスマッチ」な体型をしています。
キモイデス
テラキモス帝国の総統。「オレらみたいなのがのびのび暮らせる国作らないか」とアブラハムに話し、テラキモス帝国を作りました。他に、名前は不明ですが、眼鏡をかけて舌を出した男の幹部がいます。

家族

伊世の父
コスプレも躊躇なくできます。
伊世の母
若干天然です。
鷲男（わしお）
真琴の甥（兄の子供）の赤ん坊。アブラハムによって中年のオヤジのような姿にされました。あだ名は「わっくん」です。

学校

ソブちゃん
伊世の友達。苗字は蘇武。髪型はハーフアップです。
リッポ
伊世の友達。髪型は高い位置で二つ結びです。
池目（いけめ）
二年生。ナルシストです。

雑誌掲載時の情報

各話のタイトルは、雑誌掲載時と単行本で異なっています。また、雑誌掲載時には、第8話で「大亜門先生はヤングジャンプで描いてるよ！」、第11話で「大亜門先生最新作「わたしはキャワワワ！！」週刊ヤングジャンプで絶賛連載中！※このページに限り、転載&拡散可。公式サイトはこちら！（QRコード）」というアオリが付いていました。当時、Twitterでは、大亜門が連載していることを知らなかったというツイートや、本作の掲載誌を間違っているツイートが度々見られました。週刊ヤングジャンプ編集部のアカウントからも、「（……きこえますか）」の形で本作の掲載誌がヤングジャンプであることを呼びかけるツイートがされています。

単行本

大亜門 『わたしはキャワワワ!!』 集英社〈ヤングジャンプ・コミックス〉、全1巻
2013年5月17日発売、ISBN 978-4-08-879594-2

もう一度検索