わんぱく砦

わんぱく砦：戦国時代を駆け抜けた6人の孤児たちの物語

1966年8月7日から1967年6月11日にかけて、TBS系列で毎週日曜18時30分から19時まで放送された『わんぱく砦』。全45話からなるこの時代劇は、ダイハツ工業の一社提供で、モノクロ作品として制作されました。原作は中島たをによる漫画で、戦国時代を舞台に、6人の孤児たちの痛快な冒険を描いたコメディ作品として人気を博しました。

物語の概要

弱肉強食の戦国時代。ブーメランの達人、たつまき竜之助をリーダーに、長刀と算盤を操る伴刀左ェ門、忍術の腕を持つドロン、発明好きの学者、大食漢で力持ちの十杯、そして泣き虫のベソ。個性豊かな6人の孤児たちは、様々な困難や事件に立ち向かいながら、力強く生きていきます。時代劇でありながら、宇宙人やUFO、ダイナマイトを思わせる爆弾など、バラエティ豊かな要素が盛り込まれているのも特徴です。

この作品は、ダイハツ工業提供の朝日放送制作による日曜6時30分枠の連続ドラマとして制作されました。この枠では以前、『織田信長』などの時代劇が放送されていましたが、視聴率低迷により、子供を主人公としたコメディ作品へと路線変更されました。結果として、『わんぱく砦』は、時代劇とコメディの融合という斬新な試みで注目を集めました。

個性豊かな登場人物たち

主人公の竜之助をはじめ、個性的なキャラクターたちが物語を彩ります。冷静沈着な伴刀左ェ門、機転の利くドロン、奇想天外な発明をする学者、食欲旺盛な十杯、そしてちょっぴり臆病なベソ。それぞれの個性と能力を活かし、困難を乗り越えていく姿は、多くの視聴者の心を掴みました。脇を固める風来和尚やその他の登場人物たちも、物語に深みを与えています。

サブタイトルと主題歌

サブタイトルは「〜作戦」または「〜大作戦」で統一されており、各エピソードのタイトルからも、冒険とユーモアを感じさせることができます。主題歌「わんぱくマーチ」は、中森孝子とあいりす児童合唱団が歌唱し、軽快なメロディーと歌詞が作品の世界観を表現しています。副主題歌「わんぱく部隊の歌」も人気を博し、作品全体の雰囲気を盛り上げています。

キャストとスタッフ

主要キャストには、佐藤正三郎、二瓶康一（現・火野正平）、里井茂、古川縁九、加島こうじ、宇野正晃、加賀爪芳和など、個性豊かな俳優陣が名を連ねています。プロデューサーには作間芳郎と杉田昭、主な脚本は高橋二三、音楽は吉田栄治が担当しました。監督は作間芳郎と仲川利久が務め、制作は朝日放送と山崎プロダクションが共同で行いました。

放送当時の状況とその後

放送当時、『シャボン玉ホリデー』や『バットマン』といった人気番組と競合する厳しい状況の中、放送されました。そのため、今では知る人ぞ知るマイナー作品となっています。しかし、近年になって、テレビ番組などで取り上げられる機会が増え、改めてその魅力が再評価されています。火野正平（当時二瓶康一）は、番組出演時のエピソードを語ったり、NHKの番組で主題歌を歌うなど、作品への愛着を示しています。

入手困難な作品、そしてその魅力

現在、『わんぱく砦』は、ビデオやDVD化されておらず、視聴が困難な作品となっています。そのため、多くのファンは、その存在を知っていても、実際に作品に触れる機会に恵まれていません。しかし、その希少性ゆえに、かえって作品への興味関心が高まり、時代劇ファンや特撮ファンを中心に、語り継がれる存在となっています。独特のコメディタッチと個性豊かなキャラクター、そして時代劇という枠にとらわれない自由な発想は、『わんぱく砦』の魅力であり、忘れがたい作品として、人々の記憶に刻まれているのです。

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