仲川利久

仲川 利久 (なかがわ としひさ)

仲川利久（1934年 - 2022年）は、兵庫県出身の名高いテレビプロデューサー、演出家、監督です。彼は日本のテレビドラマ界に多大な影響を与えた人物であり、特に「必殺シリーズ」のプロデューサーとして知られています。1958年に日本大学芸術学部を卒業した後、朝日放送に入社し、その後数十年にわたって多くの人気作品を手掛けました。

来歴

仲川は、最初の作品である『悪一代』で勝新太郎とタッグを組んでテレビドラマ制作を始めました。この作品は彼の名を知らしめるきっかけとなり、以降も吉永小百合主演の『女人平家』や、大佛次郎の小説を原作とした『天皇の世紀』など、様々な作品に関わりました。特に1972年に始まった「必殺シリーズ」では、彼の才能が最もよく発揮されました。

シリーズの第1作『必殺仕掛人』から始まり、『必殺仕事人III』の13話まで、仲川はプロデューサーとして多くのエピソードに携わりました。この時期、仲川は撮影所や現場に頻繁に足を運び、作品の製作に直接関与しました。彼のこだわりやビジョンが反映された作品は、多くの視聴者に愛されました。

1982年には、必殺シリーズのバラエティ寄りの方向転換に伴い、制作から離れることになりました。彼は朝日放送の編成部へ異動し、主に脚本の選定を担当しました。しかし、仲川の去った後の必殺シリーズでは、ストーリーの類似点が多く見られるようになり、作品の質が低下したとも言われています。

朝日放送を退社後、仲川はマスコミ専門学校の講師やタレント養成所の指導を行いました。自らの塾である「仲川塾」を持ち、舞台制作にも携わるなど、多彩な面で活動していました。2016年にはスカパーで放送された『西部警察』のイベントにゲスト出演し、彼の過去の経験を語る機会も持ちました。

2022年7月10日、仲川は慢性心不全により88歳で他界しました。彼の晩年は『仕掛人・藤枝梅安』のテレビドラマ化を企画しており、製作直前まで話が進んでいたものの、さまざまな事情により実現には至りませんでした。

代表作品

仲川の業績は多数のテレビドラマや映画にわたります。特に彼が関与したテレビドラマには、1962年の『織田信長』や、1969年の『悪一代』、1971年の『女人平家』などがあります。必殺シリーズは彼の代表作であり、1972年から1982年にかけて多くの作品が放送されました。

• - 必殺仕掛人 (1972年 - 1973年)
• - 必殺仕置人 (1973年)
• - 助け人走る (1973年 - 1974年)
• - 暗闇仕留人 (1974年)
• - 必殺必中仕事屋稼業 (1975年)
• - 必殺仕置屋稼業 (1975年 - 1976年)
• - 必殺仕事人 (1979年 - 1981年)

その後も、仲川は映画制作にも関与し、2018年には映画『いまいち萌えない娘 THE MOVIE』の製作統括を務めるなど、業界において多くの足跡を残しました。彼の功績は今でも多くの人々に記憶され、テレビドラマ制作の礎を築いた一人として高く評価されています。

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