アイアンコング

アイアンコング

アイアンコングは、株式会社トミー（現タカラトミー）より1985年に発売されたゾイドシリーズに登場する、ゴリラ型メカ生命体（ゾイド）です。中央大陸戦争において、ゼネバス帝国軍が共和国軍の主力機ゴジュラスに対抗するために開発されました。その高い格闘能力と重火器による砲撃能力を両立した万能機としての活躍は、多くのファンを魅了しました。

開発の背景

中央大陸戦争が激化する中、ゼネバス帝国は共和国軍のゴジュラスに対抗できるゾイドの開発を急務としていました。そこで、ゼネバス皇帝の密命を受けたプロジェクトチームが、秘密工場で開発を進めたのがアイアンコングです。開発にあたっては、ゴリラの生態を研究するため、開発者の藤野凡平が上野動物園に足を運んだというエピソードも残っています。

機体解説

アイアンコングは、ゴリラを模した人型に近い体型を持ち、密林や市街地などの地形でも高い機動性を発揮します。格闘戦能力に優れるだけでなく、肩部にはミサイルランチャー、背部には長距離ミサイルを装備し、砲撃戦能力も兼ね備えています。装甲には軽量かつ堅牢な特殊合金を使用し、重装甲と全天候対応能力を両立。万能機と称される所以です。

コックピットは並列複座型で、操縦者と射撃手に分担することで、容易な操縦を実現しています。また、コンピュータ制御により、野生の本能と生命力を制限し、性能を画一化された操縦系統を設けているため、操縦が難しいゴジュラスに比べて扱いやすい設計となっています。これらの特徴から、旧大戦経験パイロットの間では「ゾイドの最高傑作」と評価する声も多く聞かれました。

バトルストーリーにおける活躍

中央大陸戦争では、ゴジュラスの無敵時代を終焉に導き、西方大陸戦争ではガイロス帝国軍最強ゾイドとして君臨するなど、数々の戦場で活躍しました。しかし、ZAC2047～2048年頃には第一線を退き、その後は後継機や改造機にその座を譲っています。

各種バリエーション

アイアンコングには、数多くのバリエーション機が存在します。

アイアンコングMk-II: アイアンコングを強化した機体。火力、機動性共に向上しています。
アイアンコング プロイツェンナイツ: プロイツェン元帥直属の親衛隊機。動力機関の強化や特殊装甲の採用により、通常機の3倍以上の戦闘力を誇ります。
アイアンコングイエティ: 寒冷地仕様のアイアンコング。寒冷地での活動を可能にする装備が施されています。
アイアンコングSS（シュバルツ仕様）: カール・リヒテン・シュバルツ大佐の専用機。赤い装甲とガトリング砲が特徴です。

その他にも、数多くのバリエーション機が存在し、それぞれが異なる特徴を持っています。

キットモデル

アイアンコングは、トミー（現タカラトミー）から多数のキットモデルが発売されています。初期のゼンマイ駆動モデルから、ハイエンドマスターモデル（HMM）シリーズのような精密なモデルまで、幅広いラインナップが展開されています。HMMシリーズでは、各部のディテールアップはもちろんのこと、ゴリラの動きを再現するための可動範囲の広さが特徴です。

まとめ

アイアンコングは、ゾイドシリーズを代表する人気機体の一つです。その万能性、数々の戦歴、そして豊富なバリエーションは、多くのファンを魅了し続けています。キットモデルも多数発売されており、コレクションする楽しみも味わえます。ゾイドファンならずとも、一度は触れてみてほしい名機です。

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