アイザック・トリンブル

アイザック・リッジウェイ・トリンブル

アイザック・リッジウェイ・トリンブル（1802年5月15日 - 1888年1月2日）は、アメリカ陸軍の職業軍人であり、著明な土木技師でもあります。南北戦争の際には南軍の将軍として特に有名で、ゲティスバーグの戦いでのピケットの突撃での指揮が印象的です。

初期の経歴と鉄道建設への関わり

トリンブルはバージニア州カルペパー郡で誕生し、後にケンタッキー州へと移住しました。そこで彼はウェストポイントの陸軍士官学校に入学し、1822年に卒業。卒業後は砲兵隊の少尉に任官され、アメリカ陸軍でキャリアをスタートさせました。しかし、1832年に鉄道建設事業に魅せられ、陸軍を退役します。

トリンブルはボルティモア・アンド・オハイオ鉄道の建設において測量を手掛け、ボストン・アンド・プロビデンス鉄道、ペンシルバニア鉄道の前身であるボルティモア・アンド・サスケハナ鉄道、他の多くの鉄道の建設技師としても活躍しました。彼は平行してメリーランド州に移り住み、ここでの職業活動に専念しました。

南北戦争と軍歴

1861年、南部連合が形成される中、トリンブルは故郷のバージニア州に戻り、南軍に入隊します。彼は工兵大佐として働き、早々に准将に昇進し、北バージニア軍で旅団を指揮しました。彼はシェナンドー渓谷におけるストーンウォール・ジャクソンの作戦に参加し、初の戦闘経験を積みます。

しかし、ゲインズミルの戦いやマルバーンヒルの戦いでは不運にも敗北を経験します。第二次ブルランの戦いでは旅団を指揮し、北軍に対して勝利を収めましたが、戦闘中に負傷し、健康状態は悪化していきます。

1863年のゲティスバーグの戦いでは、トリンブルはピケットの突撃を指揮する一員として名を残しました。彼は新たに師団を指揮する任務を引き受けましたが、それは彼にとって難しい挑戦でした。突撃中には再び負傷し、その後、北軍に捕虜となります。

戦後の活動と遺産

捕虜となったトリンブルは1865年に解放され、その後は義足を装着してメリーランド州に戻り、土木技師としてのキャリアを再開します。彼はボルティモア・ポトマック鉄道の主任技師を務めるなどし、1867年にはその職を辞することになります。

トリンブルは最終的にボルティモアで死去し、同地のグリーンマウント墓地に埋葬されています。彼は南軍のために戦ったメリーランド州の著名人として記憶されています。また、彼が1849年に建設したプレジデント・ストリート駅は、アメリカの市電駅の中でも老舗の一つとして評価されています。

大衆文化への影響

アイザック・リッジウェイ・トリンブルの人生は、1993年の映画『ゲティスバーグ』や2003年の続編『神と将軍』で描かれており、俳優W・モーガン・シェパードによって演じられました。このように彼の歴史的な役割は、映画を通じて多くの人々に知れ渡ることとなりました。

トリンブルは、その軍歴と土木技師としての功績を通じて、アメリカの歴史における重要な人物として位置づけられています。

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