アイシス (駆逐艦)

アイシス (HMS Isis): イギリス海軍I級駆逐艦の激動の艦歴

本稿では、イギリス海軍の駆逐艦アイシス(HMS Isis)の波乱に満ちた艦歴について詳述します。アイシスは、I級駆逐艦としてヤーロウ社で建造され、1937年6月2日に竣工しました。その後の活躍は、第二次世界大戦におけるイギリス海軍の激戦を象徴するものです。

地中海での奮戦

竣工後、アイシスは地中海艦隊に所属し、数々の作戦に参加しました。ノルウェーの戦いでは、1940年5月8日、バランゲンフィヨルドにて沈船と接触しスクリューを破損するというアクシデントに見舞われますが、修理を経て戦列に復帰。コート作戦、クラック作戦、ハイド作戦、そしてジェノバ攻撃を含むグロッグ作戦など、地中海における重要な作戦に次々と参加しました。

1941年には喜望峰経由でアレクサンドリアへ移動、再び地中海艦隊に加わり、ギリシャの戦い（ラスター作戦、デーモン作戦）、クレタ島の戦いなどに参戦します。シリア・レバノン戦役ではフランス駆逐艦と交戦し、爆撃による損傷も経験しました。

アジアでの修理と再出撃

シンガポールで応急修理が行われた後も、アイシスは1942年1月17日、爆撃により再び被害を受けます。バタビア、ボンベイと転々としながら修理が続けられ、1943年1月、ようやく修理が完了しました。

修理完了後、アイシスは地中海艦隊第12駆逐艦戦隊に配属。ドイツ潜水艦U562を撃沈する戦果を挙げます。その後も、第14駆逐艦戦隊、第8駆逐艦戦隊と所属を転々とし、パンテッレリーア島砲撃（コークスクリュー作戦）、シチリア島侵攻（ハスキー作戦）といった大規模作戦に参加しました。

そして、ノルマンディーへ…

アイシスはノルマンディー上陸作戦にも参加しますが、1944年7月20日、触雷により沈没しました。数々の激戦を生き抜いてきたアイシスの艦歴は、ここに終止符を打つこととなります。その勇猛果敢な戦いぶりは、イギリス海軍の歴史に刻まれた輝かしい一ページと言えるでしょう。

アイシスの艦歴年表

1936年2月5日: ヤーロウ社にて起工
1936年11月12日: 進水
1937年6月2日: 竣工
1940年5月8日: ノルウェーにて沈船と衝突、スクリュー破損
1940年9月: 修理完了
1941年4月: アレクサンドリアへ移動、地中海艦隊に再加入
1942年1月17日: シンガポールにて爆撃被害
1943年1月: 修理完了
1944年7月20日: ノルマンディー上陸作戦中に触雷沈没

参考文献

John English, Amazon to Ivanhoe, World Ship Society, 1993, ISBN 0-905617-64-9
* HMS Isis, destroyer

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