アイスクリームケーキ

アイスクリームケーキは、その名の通り、冷たいアイスクリームを主材として用いて作られるケーキの一種です。

一般的な製法としては、まず通常の製法で焼き上げたケーキの層を用意し、これを適切な形にカットしてから冷凍します。一方、アイスクリームは専用の型などに入れ、凍った状態で所望の形に成形します。これらのケーキ層とアイスクリーム層を組み合わせて一つのケーキとして完成させます。アイシングや表面の装飾にはホイップクリームが頻繁に用いられます。これは、ホイップクリームが他の素材では得られない柔らかな食感を加えるとともに、一般的なバタークリームなどのアイシングが冷凍状態のケーキにうまく付着しにくいという性質を持つためです。完成したケーキは、提供する直前まで冷凍庫で保存されます。食べる際には、硬く凍った状態から、アイスクリームが溶けすぎない程度に少しだけ解凍することで、スムーズにスライスできるようになります。

アイスクリームケーキには様々な種類が存在します。中にはスポンジなどのケーキを焼かずに作るタイプもありますが、多く見られるのは、焼き上げたスポンジケーキなどの層の間にアイスクリームの層を挟み込んだ、いわゆるレイヤーケーキです。特に、ケーキの層の間にアイスクリームの層を挟んだ3層構造が一般的です。アイスクリームを使用するという点ではベイクド・アラスカと共通していますが、ベイクド・アラスカのようにアイスクリームをオーブンに入れて加熱しないという点が、アイスクリームケーキとの明確な違いです。

歴史をたどると、アイスクリームケーキの起源はビスケットとクリームを組み合わせたものに遡るとされています。ヴィクトリア朝時代には、「ボム」と呼ばれるデザートが人気を博しました。これは、アイスクリームとフルーツを装飾的な型に入れて固め、時にはケーキやビスケットで覆ったものでした。現代のアイスクリームケーキに繋がるレシピも1870年代には既に存在していたことが確認されています。現在では、特に北米やオーストラリアで非常に人気があり、誕生日や結婚式といった特別な機会に食される定番のデザートとなっています。対照的に、ヨーロッパではそこまで広く知られていないようです。アメリカ合衆国では、独立記念日（7月4日）のお祝いのデザートとしても親しまれており、この日に合わせて用意される多くのケーキは、星条旗などを模した愛国的なモチーフで飾られます。ホイップクリームやラズベリー、ブルーベリーなどがデコレーションによく使われる他、アイスクリームとシャーベットを交互に重ねて国旗柄を表現した凝ったフラッグケーキなども見られます。

アメリカ市場では、アイスクリームケーキは特に大きな人気を誇っています。大手アイスクリームチェーンであるカーベルは、ファジー・ザ・ホエールやクッキー・パスといったテーマ性を持たせたキャラクターケーキをテレビコマーシャルで積極的に宣伝してきた歴史があります。カーベルだけでなく、バスキン・ロビンス、デイリークイーン、フレンドリーズ、コールド・ストーン・クリーマリーといった他の主要な小売店やアイスクリーム専門店でも、様々な種類のアイスクリームケーキが販売されており、消費者に広く親しまれています。

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