アイスト型エアクッション揚陸艇

アイスト型エアクッション揚陸艇（Aist-class LCAC）

アイスト型エアクッション揚陸艇は、ソビエト連邦およびロシア海軍が運用した初めての大型エアクッション型揚陸艇です。1964年から1965年にかけて、アルマース造船会社の設計局によって設計され、1970年から1985年までレニングラードにある同社の工場で生産が行われました。

概要

この揚陸艇のプロトタイプは1970年に建造され、1975年には本格的な生産が開始されました。1990年代初頭には、合計で20隻から24隻が完成していましたが、ソビエト連邦崩壊後、小型艦艇が余剰となり順次退役が進みました。2004年時点では、残っているのはわずか6隻です。

アイスト型は主にその高いクッション圧に特徴があり、特に低速で運行するときには非常に重いクッションスプレーが発生し、操作に難しさをもたらしました。この問題は、運用においての課題ともされてきたのです。

運用状況

アイスト型エアクッション揚陸艇は、バルト海に3隻、カスピ海に3隻が配置されています。2002年には、カスピ海での軍事演習に参加した実績もあります。この時期、エンジンが換装され、艇の排水量は260トンから最大298トンに増加したものの、航続距離は半減してしまいました。

バルチック艦隊で運用されているアイスト型には、改良された主エンジン吸気口が装備されています。一部の艇には、2基の4連装 9K32 地対空ミサイルランチャーやチャフランチャーが搭載されているものもあり、多様な役割を果たすことができるようになっています。

この装備のほかにも、いくつかのバリエーションが存在し、フィンの高さ、全長、上部構造、防衛装備において異なる仕様を持っています。特に、事故を減らし、指揮官の海や浜辺での作戦能力を高める目的で、ソ連海軍はアイストの戦闘任務シミュレーターを開発しました。1990年代の改良により、これらの艇は80トンの貨物を運ぶことが可能となりました。

参考文献

• - Sharpe, Richard (RN), Jane's Fighting Ships 1990-91, ISBN 0-7106-0904-3
• - Air cushion small landing ships – Complete Ship List

関連項目

• - エア・クッション型揚陸艇
• - グス型エアクッション揚陸艇
• - ポモルニク型エアクッション揚陸艦

このように、アイスト型エアクッション揚陸艇は、当時の海上作戦において革新的な役割を果たした艦艇であり、現在でもその存在意義が再評価されています。

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