アイバンク

アイバンクとは

アイバンクは、角膜移植を必要とする患者のために、生前に同意を得た上で死後に眼球を提供する制度です。日本では、厚生労働大臣の許可を受けた「眼球あっせん業」として、利用者に安全かつ適切な角膜を提供しています。この機関は「眼球銀行」とも呼ばれ、視力を回復するための重要な役割を果たしています。

献眼のプロセス

献眼は、アイバンクへの眼球提供を意味します。基本的に事前の登録は不要ですが、献眼登録を行うことで登録証や名刺型の登録者カードを受け取ることができます。これを持つことで、自身の献眼の意向を周知させることができます。また、臓器提供意思表示カードを持っていることでも、意志を示す手段となります。

重要なのは、献眼したいという本人の意志があっても、家族の同意が必要である点です。そのため、事前に家族との話し合いが不可欠です。しかし、本人の意志表示がない場合でも、家族の意向で献眼を行うことが可能です。献眼を希望する方は、近視等の視力障害を抱えていても、適切に使用されることから、問題なく受け入れられます。

眼球提供の流れ

献眼を行うためには、死後に最寄りのアイバンクに連絡を取ります。自宅でも病院でも、アイバンクの担当者が派遣され、約1時間程度で献眼の手続きを行います。手続きの後、義眼が装着されるため、外見上は特に変わった印象を与えません。

提供された眼球の角膜は、さまざまな疾患の有無や細胞異常が調査され、適切な移植先の施設に連絡されます。角膜移植が行われる患者にとっては命の水とも言える貴重な資源です。

提供できない条件

ただし、以下のようなケースでは眼球の提供ができません:

• - 死因が不明な場合（検視が必要）
• - 全身性の細菌、真菌、ウイルス感染症
• - HIV、HTLV-1、HBV、HCVなどの陽性反応
• - クロイツフェルト・ヤコブ病
• - 白血病
• - 眼内悪性腫瘍
• - すでに角膜移植が施された眼

これらの条件を満たさない場合のみ、献眼として提供されることが可能です。

参考文献と関連項目

アイバンクに関する詳しい情報は、公益財団法人日本アイバンク協会を通じて確認できます。関連する分野として、臓器提供意思表示カードや骨髄バンク、各種医療機関などがあります。日本角膜学会及び日本眼科手術学会、日本視覚学会も、関連の研究や情報提供に寄与しています。

このように、アイバンクは視覚障害を抱える多くの方々にとって希望の光となり、献眼の輪が広がることを願っています。

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