アイメリーク州

アイメリーク州

パラオ共和国を構成する行政区画の一つ、アイメリーク州（英語：State of Aimeliik）は、バベルダオブ島の西側に位置し、その中心であるモンガミ（Mongami）が州都の機能を担っています。面積は約52平方キロメートルで、2005年の国勢調査によると人口は334人でした。パラオの主要な玄関口であるロマン・トメトゥチェル国際空港からは非常に近い距離にあります。

地理と自然

バベルダオブ島の西部に位置するアイメリーク州は、密林の広がる山岳地帯に展開し、多様な自然環境が魅力です。マングローブ林や湿地が広がる海岸部から、内陸部には起伏のある丘陵地帯が続きます。州内には、海岸沿いに南からImul、Chelechui、Ngmechiangel、そしてMedormの四つの村が点在しています。その境界は、北はTabcheding川、東はバベルダオブ島の中央尾根であるRael Kedam、南東はNgerderar川の南にある尾根に沿って定められています。

歴史と文化

パラオにおいてアイメリークは、古くから人々が定住してきた歴史深い地域の一つです。かつて勇名を馳せた戦士マソル（Malsol）が埋葬された地としても知られ、その墓所は現在、アイメリーク・バイ（集会所）の近くにあり、主要道路からアクセス可能です。日本統治時代には、南洋庁熱帯産業研究所や南洋拓殖の農場など、様々な農業関連施設が設けられ、農業の中心地として栄えた歴史を持ちます。また、古代の農業や防衛のために築かれたとされる人工段丘「ケズ」の遺跡も残されており、歴史的な景観を形成しています。州の文化的な象徴の一つであるアイメリーク・バイは、入口に描かれた刺青を施した豊穣の女神像が特徴的で、多くの人々が訪れる場所となっています。

産業と経済

州の経済活動は農業と商業が中心で、主な需要は都市部からです。多くの農場は運営されていますが、過去には牛の放牧も試みられました。しかし、パラオの土壌や気候が適さなかったため、この試みは成功しませんでした。

インフラと施設

アイメリーク州には、パラオ最大の発電所があり、国内の電力供給を支えています。また、メドルム村には、パラオで最も強力な短波ラジオ局が設置されており、主に9MHzから15MHz帯で運用されています。

教育

州内の教育は、パラオ共和国教育省の管轄の下で行われています。アイメリーク小学校は、1948年に設立されて以来、地域の子供たちの教育を担う公立学校として運営されています。

アクセス

州内の道路の大部分は未舗装ですが、近年完成したコンパクト・ロードにより、主要地域へのアクセスは改善されました。ロマン・トメトゥチェル国際空港からも近く、外部からの訪問も比較的容易です。

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