アイルランド系チリ人

アイルランド系チリ人（スペイン語: Irlandés-chileno または Hibernochileno、アイルランド語: Gael-Sileánach）は、アイルランド島からチリへ移住した人々、およびその子孫を指します。

歴史的背景

18世紀から19世紀初頭にかけて、多くのアイルランド人がチリへ移住しました。その背景には、主にカトリック教徒であるアイルランド人が、プロテスタントが主導する当時のアイルランド王国政府からの抑圧を逃れようとしたことが挙げられます。当時のアイルランド王国政府は、イギリスの傀儡政権に近い状態でした。スペインはカトリックの国であり、多くのアイルランド人がラテンアメリカへと移住しました。

19世紀後半になると、カトリック解放が進み、カトリック国への移住の必要性が薄れたこと、さらにアメリカ合衆国やカナダがより豊かな土地を移民に提供したことから、アイルランドからチリへの移住は減少しました。

マガジャーネス地域との関わり

アイルランド系チリ人の多くは、チリ最南端のマガジャーネス地域で羊飼いとして生活していました。プンタ・アレーナス市には、18世紀に遡るアイルランド系のコミュニティが形成されています。

ベルナルド・オイギンス

最も著名なアイルランド系チリ人は、ベルナルド・オイギンスです。彼は「チリの父」として知られ、チリ全土でその功績が称えられています。

著名なアイルランド系チリ人

以下に、著名なアイルランド系チリ人の一部を紹介します。

パトリシオ・エイルウィン - 元大統領
アルベルト・ブレスト・ガーナ - 作家
カルロス・コンデル - 海軍将校
ペドロ・パブロ・ダルトネル - チリ陸軍総監
パトリシオ・リンチ - チリ海軍提督
フアン・マッケーナ - 将軍、チリの愛国者
アルロド・マイネ＝ニコルス - ジャーナリスト
ベルナルド・オイギンス - チリ最高評議長、チリの国父
サンドラ・オルヤン - 女優
マリア・ホセ・ウルサ - 女優
ベンハミン・ビクーニャ・マッケーナ - 政治家、作家
カミーラ・バジェーホ - 学生運動家

これらの人物は、政治、軍事、文化、芸術など、様々な分野でチリ社会に貢献してきました。アイルランド系チリ人の歴史は、チリの多文化的な背景を豊かにする重要な要素の一つです。

もう一度検索