アウディ・A3

アウディA3：コンパクトな高級感と高い実用性を両立するハッチバック/セダン

アウディA3は、ドイツのアウディ社が製造・販売するCセグメントに属する小型乗用車です。ハッチバックとセダン、そして過去にはオープンカーもラインナップに含まれていました。1996年に初代モデルが発売されて以来、高い人気を誇り、現在では4代目モデルが展開されています。

初代A3（8L型、1996年-2003年）

初代A3は「小さな高級車」というコンセプトのもとに開発されました。当時、アウディのエントリーモデルとして登場し、[フォルクスワーゲン]]・ゴルフとプラットフォームを共有するなど、兄弟車的な関係にあります。アウディ独自の前輪駆動]ベースの縦置き[[エンジンレイアウトではなく、一般的な横置きエンジン・FFレイアウトを採用した点が特徴です。

日本市場では1997年に3ドアハッチバックモデルから販売が開始されました。初期モデルは自然吸気エンジンと4速ATの組み合わせでしたが、その後ターボモデルや4WDクワトロモデル、5ドアハッチバックなどが追加されました。2000年にはマイナーチェンジを実施し、デザインやインテリアを刷新。2003年には、限定車「1.8T リミテッド」を発売して初代モデルの歴史に幕を閉じました。高性能版のS3も存在し、左ハンドル車の正規輸入は限定的でした。

2代目A3（8P型、2003年-2012年）

2代目A3は、2003年に3ドアモデルからフルモデルチェンジされました。ゴルフVと同様にメカニズムやシャーシを共有し、アウディのデザインアイコンであるシングルフレームグリルを採用したことが大きな変更点です。パワートレインは2種類のガソリンエンジンと、高性能版の3.2クワトロ（V6エンジン搭載）がラインナップされました。

2004年には5ドアハッチバック「スポーツバック」が追加され、ラゲッジスペースの拡大が図られました。3ドアモデルは2005年にマイナーチェンジでシングルフレームグリルが採用され、2007年にはオープンカーのカブリオレが欧州で発表されましたが、日本市場への導入はありませんでした。日本市場では、2003年に3ドアモデルの販売を開始、後にスポーツバックが追加され、2006年には3ドアモデルの販売を終了しました。その後、マイナーチェンジやエンジンバリエーションの追加、そして高性能モデルS3の追加などが行われました。

3代目A3（8V型、2013年-2021年）

3代目は2012年に発表され、モジュールプラットフォーム「MQB」を採用しました。3ドアと5ドアスポーツバック、そして初めて4ドアセダンがラインナップに加わりました。1.4Lと1.8Lのガソリンエンジンに加え、ディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドモデル「A3 e-tron」、CNG車「A3 スポーツバック g-tron」も設定されました。高性能モデルS3も3ドア、スポーツバック、セダンの3種類が用意されました。さらに、カブリオレモデルも設定されましたが、日本市場への導入はハッチバックとセダンのみです。

日本市場では、2013年にスポーツバックから販売を開始し、その後セダンモデルが追加。1.4TFSI、1.8TFSIクワトロ、そしてS3 スポーツバックがラインアップされました。2015年にはPHEVのA3スポーツバックe-tronも発売されました。以降、マイナーチェンジや特別仕様車の販売を繰り返しながら、販売が継続されました。

4代目A3（8Y型、2020年-）

現行モデルとなる4代目A3は2020年に欧州で発表されました。モジュールプラットフォーム「MQB evo」を採用し、3ドアとカブリオレは廃止されました。ボディサイズは拡大され、より広い室内空間とラゲッジスペースを実現しています。パワートレインは、ガソリンエンジンとディーゼルエンジン、そしてPHEVモデルが用意されています。

エクステリアは、ワイドなシングルフレームグリルやデジタルデイタイムランニングライトなど、アウディ最新のスタイリングが採用されています。インテリアには、デジタルメーターパネル「アウディバーチャルコックピット」やタッチスクリーン式のMMIナビゲーションシステムなどが搭載されています。先進運転支援システムも充実し、安全性の向上も図られています。日本市場では、スポーツバックとセダンが販売されています。1.0Lと2.0Lガソリンエンジン、そして高性能モデルS3がラインアップされています。さらに、多数の特別仕様車も投入されています。

A3とクワトロシステム

アウディの四輪駆動システムであるクワトロシステムは、通常は縦置きエンジン搭載車に採用されますが、A3では横置きエンジンにも適用されています。これは、ゴルフなどとの部品共有によるコスト削減、そしてコンパクトなボディサイズを維持するためです。アウディ50が横置きエンジン搭載車としては初となります。

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