アウディ・RS6

Audi RS6シリーズ：高性能ステーションワゴンの歴史

Audi RS6は、ドイツの自動車メーカーAudiが製造する、高い走行性能を誇るステーションワゴンです。その歴史は、2002年に登場した初代モデルにまで遡ります。本稿では、初代から最新モデルまでのRS6シリーズの進化を、各世代の特徴とともに詳細に解説します。

初代 RS6 (C5系, 2002-2004)

RS4の後継モデルとして、2002年のジュネーブショーでデビューした初代RS6。アウディ傘下のクワトロ社（現Audi Sport）が企画・開発を主導し、コスワースがエンジン設計・組立を担当しました。

4.2リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、450PSという圧倒的なパワーを誇り、0-100km/h加速は4.7秒を記録しました。セダンとアバント（ステーションワゴン）の2つのボディタイプが用意され、優れた加速性能を支えるため、ブレンボ製の高性能ブレーキシステムが採用されていました。また、高い走行安定性を実現するために、ダイナミックライドコントロールも搭載されました。トランスミッションはティプトロニック付き5速ATのみです。日本では2003年2月に発売されました。

2代目 RS6 (C6系, 2007-2010)

2代目はC6系A6をベースに、5.0リッターV型10気筒DOHCツインターボエンジンを搭載。最高出力は580PSにまで向上し、0-100km/h加速は4.6秒という驚異的な速さを実現しました。275/35R20の大径タイヤと6ポット対向ブレーキが、その高い運動性能を支えています。最高速度は電子制御により290km/hに制限されています。日本では、2008年6月にアバント、2009年1月にセダンが発売されました。さらに、2010年には限定10台の特別仕様車も発売されました。

3代目 RS6 Avant (C7系, 2012-2018)

3代目では、セダンモデルが廃止され、アバントのみとなりました。ベースはC7系A6で、4.0リッターV型8気筒エンジンを搭載し、最高出力560PS、最大トルク71.4kgmを発生。0-100km/h加速は3.9秒、最高速度は305km/hにまで達する、圧倒的な性能を誇りました。

日本では2013年10月に発売され、その後、マイナーチェンジや特別仕様車「RS 6 Avant Performance」（最高出力605PS）なども発売されました。マイナーチェンジでは、マトリクスLEDヘッドライトの採用や、Audi connectの標準装備などが行われました。

4代目 RS6 Avant (C8系, 2019-)

現行モデルである4代目は、2019年8月に欧州で発表されました。アバントのみの設定で、4.0リッターV型8気筒ガソリン直噴ツインターボエンジンと8速ティプトロニック、quattroシステム（4WD）を搭載。48Vマイルドハイブリッドシステムの採用により、燃費性能の向上も図られています。0-100km/h加速は3.6秒、最高速度は250km/h（リミッター作動）です。

エクステリアはRS専用デザインとなり、フェンダーが40mmワイド化され、21インチの大径タイヤが装着されています。2022年には、最高出力630PSに強化された「RS 6 Avant performance」が欧州で発売されました。日本市場では2020年11月に発売されました。

まとめ

Audi RS6シリーズは、初代モデルから最新モデルまで、常に高い性能と洗練されたデザインを両立してきた、Audiを代表する高性能ステーションワゴンです。その進化の歴史は、Audiの技術力の高さ、そして、高性能車への飽くなき追求を物語っています。各世代のモデルは、それぞれの時代に合った技術とデザインを取り入れながら、Audi RS6というブランドのアイデンティティを継承し続けています。今後、RS6シリーズがどのような進化を遂げていくのか、目が離せません。

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