アウトストラーダ A12

アウトストラーダ A12：ティレニア海沿岸を繋ぐ大動脈

アウトストラーダ A12は、イタリアのティレニア海沿岸を縦断し、ジェノヴァとローマを結ぶことを目指す主要な高速道路です。「アウトストラーダ・アッズッラ（青い高速道路）」とも呼ばれ、イタリアの交通網において重要な役割を果たしています。現在、ジェノヴァとサン・ピエトロ・イン・パラッツィ間、およびローマとタルクイーニア間が開通しており、残りの区間は計画・建設が進められています。

歴史

A12は段階的に開通してきました。1981年にはセストリ・レヴァンテの料金所が廃止され、その後カッローダノ料金所が開設されました。ローマ-チヴィタヴェッキア区間は、1967年にA16として開通しましたが、後にA12の一部と見なされるようになりました。この区間は2015年から2016年にかけて延伸工事が行われ、最終的にタルクイーニアまで開通しました。

現在の状況

ジェノヴァ-ピサ区間

ジェノヴァ北のアウトストラーダA7から始まり、トンネルや高架橋を駆使して市街地を通過します。ジェノヴァ東、ジェノヴァ-ネルヴィ、レッコ、ラパッロ、キアーヴァリなどの出入口を経由し、リグーリア東海岸に沿って進みます。その後、内陸に入り、A15と交差するラ・スペツィアへ向かいます。トスカーナ州に入ると、カッラーラ、マッサ、ヴィアレッジョといった都市を通過し、A11との接続を経てピサに到達します。

ピサ-リヴォルノ-サン・ピエトロ・イン・パラッツィ区間

スターニョ入口からは、リヴォルノへ向かうヴァリアンテ・アウレリア(SS1)が接続しています。フィレンツェ-ピサ-リヴォルノ高速道路とのジャンクションもあり、その後内陸に向かい、コッレサルヴェッティを経由してロジニャーノ料金所に至ります。アウトストラーダはチェーチナ出入口の手前で終了します。この区間の管理会社は、ジェノヴァ-セストリ・レヴァンテ間がアウトストラーデ・イタリア、その先リヴォルノまでがSALT、リヴォルノ-サン・ピエトロ・イン・パラッツィ間がSATです。

タルクイーニア-ローマ区間

当初A16と分類されていたローマ-チヴィタヴェッキア区間は、1966年に開通しました。A91ローマ-フィウミチーノから分岐し、フレジェーネ、トリンピエートラ、チェルヴェーテリ-ラディスポリ、サンタ・マリネッラ-サンタ・セヴェーラなどの出入口を経てタルクイーニアに至ります。アウトストラーダはタルクイーニアの北で終わり、SS1ヴィア・アウレリアとして継続します。この区間は、ローマ-チヴィタヴェッキア・ポルト間がアウトストラーデ・イタリア、チヴィタヴェッキア・ポルト-タルクイーニア間がSATによって管理されています。また、この区間には無料区間があり、サンタ・セヴェーラ-サンタ・マリナッラ間とチェルヴェテリ-ラディスポーリ間の出入口間が無料通行できます。

サン・ピエトロ・イン・パラッツィ-タルクイーニア区間

この区間は未開通であり、計画・建設中です。現在、サン・ピエトロ・イン・パラッツィからグロッセートまではヴァリアンテ・アウレリア、グロッセートからタルクイーニアまではヴィア・アウレリアを利用する必要があります。この区間の整備は、関係者の妨害により難航してきましたが、2009年以降、段階的に工事が進められています。2011年にはロジニャーノ-サン・ピエトロ・イン・パラッツィ間の最初の区間が開通し、2016年にはチヴィタヴェッキア・ポルト-タルクイーニア間が開通しました。


CIPEの決定により、残りの区間の建設は民間資金を利用して進められることになり、サン・ピエトロ・イン・パラッツィ-グロッセート間はヴァリアンテ・アウレリアの拡張、グロッセート-アンセドニア間は4車線の自動車専用道化、アンセドニア-タルクイーニア間は新規のアウトストラーダ建設という計画になりました。

その他の区間

A11/A12接続路

全長18kmの接続路で、フィレンツェとジェノヴァを短時間で結ぶために1973年に開通しました。この接続路は、上下線分離の2車線道路で、緊急車線はありません。2007年にはヴィアレッジョ料金所を回避するランプが開設され、無停止での通行が可能になりました。管理はASTMグループのリグーレ・トスカーナ高速道路会社が行っています。

A12リヴォルノ分岐路

リヴォルノ出口から始まる全長4.5kmの高速道路です。フィレンツェ-ピサ-リヴォルノ高速道路と接続し、スターニョでヴァリアンテ・アウレリアに合流します。

ラッコルド・アウトストラダーレ・ディ・ピサ

全長2.8kmの道路で、ピサ西出入口でフィレンツェ-ピサ-リヴォルノ高速道路に接続しています。ピサ中央料金所を経由してA12に接続し、サン・ピエーロ・ア・グラードへ繋がる出入口があります。管理はリグーレ・トスカーナ高速道路会社が行っています。

今後の計画

サント・ステファーノ・ディ・マグラとヴィアレッジョ間での双方向動的3車線化が計画されています。また、ルーニ遺跡への接続を容易にするための歩道橋も設置されました。

まとめ

アウトストラーダ A12は、ティレニア海沿岸の重要な交通インフラであり、ジェノヴァとローマを結ぶことを目指して整備が進められています。歴史的な経緯、各区間の特徴、今後の計画を知ることで、イタリアの道路網への理解を深めることができます。

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