アオラキ/マウント・クック国立公園

アオラキ/マウント・クック国立公園

アオラキ/マウント・クック国立公園は、ニュージーランド南島に位置する自然豊かな国立公園です。1953年に保護地域として登録され、その後正式に国立公園として制定されました。1990年には、周辺の国立公園と共に「テ・ワヒポウナム」としてユネスコの世界遺産（自然遺産）に登録され、その価値が世界的に認められています。

地理

公園の最寄りの町はトワイゼルで、約65km離れています。国道8号から分岐する国道80号の終着点がアオラキ/マウント・クック村であり、ここでは公園の従業員やガイドが生活しています。

公園の面積は約700平方キロメートルで、その約40%が氷河に覆われています。ニュージーランドに存在する20の3000mを超える山のうち、19の山がこの公園内に位置しています。中でも、標高3754mのクック山（マオリ語名：アオラキ）はニュージーランド最高峰として知られています。クック山の英語名は19世紀の探検家ジェームズ・クックに由来し、マオリ語のアオラキは、マオリ族の伝説に登場する少年の名前から来ています。その他、タスマン山、セフトン山、エリー・ド・ボーモン山などの山々も公園内にそびえています。

特にクック山の東側に位置するタスマン氷河は、温帯地域では最大規模を誇る氷河として有名です。

生態系

アオラキ/マウント・クック国立公園は、そのほとんどが森林限界よりも高い場所に位置するため、森林はほとんど見られません。しかし、300種類以上の植物が自生しており、マウンテンバターカップやデイジーなどが咲き誇ります。一方で、外来種であるルピナスも繁殖しており、特に夏には駆除作業が行われています。

公園内には約40種類の鳥類が生息しています。中でも有名なのはミヤマオウム（ケア）で、その知能の高さと好奇心旺盛な性格が知られています。その他、イワサザイ、ニュージーランドハヤブサ、ミナミオオセグロカモメ、クロセイタカシギなども見られます。

昆虫類や爬虫類も多く、雪線付近ではマウントクックノミ、またアカジタミドリヤモリなども生息しています。

アオラキ/マウント・クック国立公園は、その独特な地形と生態系が織りなす美しい景観で、訪れる人々を魅了し続けています。登山やハイキング、氷河見学など、様々なアクティビティを通じて、この雄大な自然を体験することができます。

関連項目

天文遺産

外部リンク
ニュージーランド環境保全省による公式ホームページ

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