アカオタテガモ

アカオタテガモ(赤尾立鴨)



アカオタテガモ(学名:Oxyura jamaicensis)は、カモ目カモ科に分類される水鳥の一種です。種小名の"jamaicensis"は「ジャマイカの」を意味します。

形態



アカオタテガモは、その特徴的な外見で知られています。

オス(基準種O. j. jamaicensis): 赤錆色の体、鮮やかな青色の嘴、白い顔、そして黒い頭頂部を持ちます。
*メス(基準種O. j. jamaicensis): 灰褐色の体色で、顔は灰色がかっており、嘴、頭頂部、頬に暗色の模様があります。

南米に分布する亜種O. j. ferrugineaは、基準種よりも大型で、顔が黒いのが特徴です。この亜種は、独立した種として扱われることもあります。亜種O. j. andinaは、白い顔にいくらか黒色の模様が入ります。

分布



アカオタテガモは、北米を中心とした新北区と、南米の新熱帯区に広く分布しています。

しかし、イギリスで飼育されていた個体が逃げ出し、野生化しました。その後、その子孫がヨーロッパ各地に広がり、現在ではヨーロッパにも生息しています。繁殖行動が荒く、絶滅危惧種であるカオジロオタテガモと交雑してしまうことが問題視されており、特に南ヨーロッパでは深刻な状況です。イギリスでは、外来種としてのアカオタテガモを絶する計画が進められていますが、その是非を巡って議論が巻き起こっています。

生態



アカオタテガモは、植生の豊かな地、などを繁殖地としています。巣は水辺の茂みの中に作られます。つがいは毎年新しく形成されます。

凍結しない沿いのなどを越冬地とする渡り鳥でもあります。

潜水が得意で、水中を巧みに泳ぎます。主な食料は、水辺の植物の種子、水生昆虫、甲殻類などです。

亜種



アカオタテガモには、以下の亜種が確認されています。

Oxyura jamaicensis jamaicensis: 北米に分布する基準亜種
Oxyura jamaicensis ferruginea: アンデスアカオタテガモとも呼ばれ、南米に分布。
Oxyura jamaicensis andina: コロンビアアカオタテガモとも呼ばれ、コロンビアに分布。

コロンビアに分布するO. j. andinaは、アカオタテガモとアンデスアカオタテガモの雑種である可能性が指摘されています。コロンビアアカオタテガモは個体数が減少傾向にあり、保全のためには、亜種間の遺伝的な関係を早急に解明する必要があります。

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