アキリーズ (軽巡洋艦)

アキリーズ (HMS Achilles, HMNZS Achilles)

アキリーズは、イギリス海軍が海軍休日時代に建造したリアンダー級軽巡洋艦のひとつです。この艦の名前は、ギリシア神話の英雄アキレウスに由来し、日本でもアキレスと表記されることがあります。アキリーズは英海軍の艦船としては3番目の艦です。

建造と歴史

1931年6月11日にイギリスのキャメルレアード社にて起工されたアキリーズは、1932年9月1日に進水し、1933年10月10日に就役しました。イギリス海軍の軽巡洋艦として、他にも数隻が英連邦各国に貸与されており、その中にニュージーランドに割り振られた本艦がありました。1936年にはニュージーランド海軍へ移管され、HMNZS Achillesとして運用されることとなります。

1937年からはニュージーランド戦隊の旗艦として、約60%の乗員がニュージーランド人で構成されました。アキリーズはジブラルタルからイギリス本土へ戻り、1936年9月にはオークランドに到着し、10月1日から正式にニュージーランド海軍に加わりました。

第二次世界大戦への参加

アキリーズは第二次世界大戦の開戦前から様々な活動を行っていました。1939年8月18日にオークランドに帰港した後、ヨーロッパの情勢が悪化する中で、8月29日に西インド諸島へ向かう命令を受け出航します。船団護衛や艦隊任務に従事しながら、9月12日にバルパライソに到着。以後、南アメリカ沿岸での哨戒活動も行い、ドイツ艦との接触など多岐にわたる任務を遂行していました。

特に注目すべきは、1940年12月に発生したラプラタ沖海戦です。この戦いではアキリーズが、ドイツ海軍の装甲艦アドミラル・グラーフ・シュペーに対抗し、英連邦の巡洋艦と共に奮闘しました。最終的にアドミラル・グラーフ・シュペーはモンテビデオに追い詰められ、自沈に至ります。

戦後の活動

戦争終結後、アキリーズはインドに貸与され、INS Delhiへと改名されました。インド海軍では長年にわたり運用され、1978年には除籍されました。艦の一部はニュージーランド政府に贈られ、デボンポート海軍基地に展示されているそうです。

武装の改修と装備

アキリーズの武装は時期によって変化しました。1936年には新型のカタパルトが装備され、水上機もオスプレーからウォーラスに変更されました。1941年には機銃や砲塔が撤去・追加され、対空火器が強化されるなど、艦の防御力は向上していきました。また、レーダー技術の導入もあり、戦闘能力はさらに高まりました。

創作への影響

アキリーズは1956年にイギリス映画、『戦艦シュペー号の最後』にも登場し、元艦名を持った艦として描かれました。映画の中では艦長がジャック・グイリムにより演じられ、戦争の歴史における艦の役割が紹介されていました。

アキリーズの歴史は、彼女がどのように艦隊の一翼を担い、数々の戦闘を経て運命を共にしたかを物語っています。彼女の歩みは、ニュージーランド海軍の歴史においても重要な位置を占めるもので、一隻の艦が多くの人々に影響を与え続けた証と言えるでしょう。

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