海軍休日

海軍休日とは

海軍休日（かいぐんきゅうじつ、英: Naval Holiday）とは、第一次世界大戦終了後の1922年から1936年にかけて、国際的な合意により軍艦の建造が制限された15年間の期間を指します。この時期は、軍縮の努力によって海軍競争を緩和しようとする試みがなされていました。

背景

第一次世界大戦前、イギリスとドイツの間では激しい海軍建艦競争が展開されていました。ドイツの海軍力の増強に恐れをなしたイギリスは、建艦の10年間休止を提案しましたが、ドイツはその提案を受け入れず、両国の競争が長引く要因となりました。この競争は、戦争の結果として明らかになった海軍力の不足や資源の浪費など、さまざまな問題を生むこととなりました。

新たな競争の始まり

大戦後、ドイツの海軍力の衰退に伴い、新たな海軍競争が日本、イギリス、アメリカの間で勃発します。特に、アメリカは新興海軍国として台頭し、海軍力を強化するための建艦プログラムを積極的に推進しました。また、日本も「八八艦隊」として知られる大規模な戦艦と巡洋艦の建造に取り組みました。これらの国々は、大艦巨砲主義を採用し、艦艇の排水量は30,000トンを超える艦種が増え、40,000トンに達するものも出てきました。

経済的な負担

建艦競争が進む中、建造費用や維持費は膨大な額に達しました。特に日本においては、海軍予算が歳出の約3分の1にあたる5億円に達し、財政的な負担が増大していきました。このような状況を受けて、アメリカの大統領ウォレン・ハーディングは、国民の負担軽減を約束し、軍事費の大幅な削減を目指しました。その一環として、国際的な協定によって軍縮を図ることを提案しました。

ワシントン海軍軍縮会議

1921年1月に開催されたワシントン海軍軍縮会議は、各国が経済的な圧力を感じていたため、迅速に合意が成り立ちました。この会議では、老朽化した艦艇だけでなく、建造中または計画中の大型艦艇も廃棄し、10年間主力艦の建造を休止することが決定されました。この合意により、艦船建造の競争は一時的に収束し、各国は経費削減に向けた取り組みを進めることとなりました。

軍縮の延長とその終焉

最初の10年間の休止が経過する前に、ロンドン海軍軍縮条約によってさらに5年間の延長が行われました。さらに、1935年には第二次ロンドン海軍軍縮会議も開催されましたが、特に日本が1934年にワシントン海軍軍縮条約を破棄したことが影響し、1936年には実質的な海軍軍縮は無意味となり、再び自由な建艦競争が始まることとなりました。

関連項目

この時期に関連する艦船には、条約型戦艦や条約型巡洋艦などがあります。これらの艦船は、軍縮条約によって設計・建造が制限されたため、当時の海軍国々の努力と苦悩を示す重要な存在です。

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