アコレ

アコレ：徹底したコスト削減が特徴のディスカウントストア

アコレは、イオングループの株式会社ビッグ・エーが運営する小型のディスカウントストアです。東京都板橋区に本社を置く同社は、コスト削減を徹底した運営で知られています。アコレは、元々はイオンリテール株式会社のブランドでしたが、2015年3月に事業が分社化され、2021年2月まで独立したアコレ株式会社として運営されていました。その後、イオングループ内の株式会社ビッグ・エーに事業が承継されました。

アコレのルーツは、2008年9月にイオンリテールが東京都練馬区にオープンした平和台駅前店にあります。この実験的な店舗を皮切りに、アコレは独自のビジネスモデルを確立していきました。そのモデルの中核をなすのは、徹底的なコスト削減です。

具体的には、ドイツのハードディスカウンターをモデルに、商品を段ボール箱から直接陳列したり、レジ袋を有料化したり、折り込み広告や特売セールを行わないなど、さまざまな工夫が凝らされています。かつては店内放送やBGMも流していませんでしたが、これは徹底したコスト削減の姿勢を表す象徴的な取り組みでした。

店舗の外観も特徴的です。オレンジを基調とした看板や、オレンジ色の従業員エプロンが、アコレのブランドイメージを形成しています。当初はイオンのロゴマークがなく、「お客さま感謝デー」も実施されていませんでした。また、電子マネーの利用も当初は不可でしたが、2013年ごろからWAON、iD、QUICPay、交通系ICカードなど、多くの電子マネーが利用可能となりました。

2016年6月8日からは、イオングループ他社に先駆けて共通ポイントサービス「WAON POINT」「WAON POINTカード」を開始しました。これは、顧客ロイヤリティ向上のための戦略的な取り組みと言えるでしょう。

しかし、2024年7月からは、アコレの一部店舗が「ビッグ・エー」へと改装され、屋号変更が進められています。みつわ台5丁目店（千葉みつわ台店に改称）がその第一号です。屋号変更に伴い、決済方法にも変更があります。WAON以外の電子マネーが利用不可となり、代わりにPayPayとau Payが利用可能になります。また、取扱クレジットカードも、「AEON Financial」のアクセプタンスマークまたはVisa、Mastercard、JCBいずれかの国際ブランドマークがあるカードのみに限定されます。さらに、イオン商品券やイオンギフトカードも利用できなくなります。

なお、アコレという名称は、マックスバリュ東海の前身企業が三重県を中心に展開していたスーパーマーケットにも使用されていた過去がありますが、両者には直接的な関係はありません。

アコレは、その独自のビジネスモデルとコスト削減の徹底によって、イオングループにおける重要な役割を担ってきました。しかし、最近のビッグエーへの改装は、アコレの将来像を大きく変えつつあります。今後、アコレブランドがどのように進化していくのか、注目が集まります。

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