アシュート

アシュートは、エジプトのほぼ中央、ナイル川沿いに位置する都市です。アシュート県の県都であり、人口は約40万人を擁します。上エジプトの中心都市として、エジプト中部の経済・文化において重要な役割を果たしています。

歴史

アシュートの歴史は古く、紀元前3100年頃には人が居住し始め、古代エジプト時代には「ジャウティ」という名で都市が形成されていました。エジプト第一中間期には、北のヘラクレオポリスと南のテーベという二大勢力の境界に位置し、政治的にも重要な場所でした。紀元前2050年頃にはヘラクレオポリス側につきテーベに攻撃を仕掛けましたが、紀元前2000年頃にテーベに敗れ、その支配下に入りました。

ローマ帝国時代には「リコポリス」と呼ばれるようになり、4世紀にはコプト正教会が伝来し、その中心地の一つとなりました。現在でも、エジプト最大のコプト正教会のコミュニティが存在します。

現在

現代のアシュートは、エジプト中部の農産物の集散地として重要な役割を担っています。特に綿花や砂糖などの取引が盛んです。また、アスワンとカイロを結ぶ鉄道の中間地点に位置し、交通の要所でもあります。

住民の大多数はスンニ派イスラム教徒ですが、コプト正教徒も多く居住しています。アシュート大学があり、高等教育の中心地としての役割も担っています。

関連項目

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