アスティア

富士フイルムカラーリバーサルフィルム「アスティア」シリーズ

「アスティア」（Astia）は、富士フイルムのカラーリバーサルフィルム「フジクローム」ブランドに属していたシリーズです。1997年に初代「アスティア100」が発売され、2012年3月に「アスティア100F」の製造終了をもって、その歴史に幕を閉じました。

略歴・概要

1997年3月、富士写真フイルム（現富士フイルム）は「フジクロームアスティア100」（RAP, ISO 100/21）を発売しました。このフィルムは、135フィルム、120フィルム、220フィルム、シートフィルム（4×5in判、8×10in判、11×14in判、クイックロード4×5in判）と、幅広いフォーマットに対応していました。同時に発売されたのは、フジクロームセンシア100（RA、1994年発売）の後継製品である「フジクロームセンシアII100」（RA II）です。同年7月には、「フジクロームアスティア100」がテクニカル・イメージ・プレス・アソシエーション（TIPA）の賞を受賞し、その品質が評価されました。

2003年7月には、「フジクロームベルビア100F」「フジクロームベルビア100」とともに、「フジクロームアスティア100F」（RAP F, ISO 100/21）が発売されました。

2011年9月5日、富士フイルムは「フジクロームアスティア100F」の120フィルム、220フィルム、シートフィルム（4×5in判、8×10in判、および4×5in判クイックロードタイプ）を、2012年3月に生産終了すると発表しました。同時に、センシアIII100の135フィルム（24枚撮・36枚撮のそれぞれ単品）の販売終了もアナウンスされ、「フジクローム」ブランドのカラーリバーサルフィルムは、「ベルビア」と「プロビア」の2つに集約されました。

富士フイルムは、「今後の使用推奨品」として、同じくリアルカラーで超高彩度の「フジクロームプロビア100F」を挙げています。

製品

アスティア100

「アスティア100」（Astia 100）は、1997年3月に発売されたカラーリバーサルフィルムです。2003年7月には、後継製品である「アスティア100F」が発売されました。

アスティア100F

「アスティア100F」（Astia 100 F）は、2003年7月に発売されたカラーリバーサルフィルムです。「アスティア」シリーズの最終モデルであり、2012年3月の生産終了をもって、シリーズ全体の銘柄が廃止されました。

この製品は、1997年3月発売の「フジクロームアスティア100」（RAP, ISO 100/21）の後継として登場しました。粒状性はRMS:7と前モデルから向上し、リアルカラーによる色再現、標準的な彩度、軟調な階調、高いシャープネスが特徴です。同時期に発売された「センシアIII100」とは、非常に近い特性を持っていました。

富士フイルムは「フジクロームアスティア100F」を「究極の肌色再現を求めた世界最高レベルの超微粒子フィルム」と位置づけ、開発者によると、RMS:7の粒状性はカラーリバーサルフィルムとして初の到達点であり、像構造画質、調子再現、色再現、画像堅牢性が大幅に向上したと述べています。

「アスティア100F」はデイライトタイプのフィルムであり、タングステン光下で使用する際は、「富士色温度変換フィルターLBB-12」または「ラッテンフィルターNo. 80A」が必要でした。発売当初は、「アスティア100」のラインナップを引き継ぎ、135フィルム、120フィルム、220フィルム、シートフィルム（4×5in判、8×10in判、クイックロード4×5in判）が提供されていました。

ロールフィルムでは、135フィルムが厚さ0.127mm、120・220フィルムが厚さ0.098mmのセルローストリアセテートを支持体として使用。4×5in判（シノゴ）と8×10in判（バイテン）のシートフィルムでは、厚さ0.175mmのポリエステルを支持体としていました。

現像処理は、他の「フジクローム」製品と同様、「フジクロームフィルムプロセスCR-56」と、コダックのカラーリバーサルフィルム「エクタクローム」現像処方である「E-6現像」に対応していました。

その後、135フィルムは廃止され、135フィルム専用となった「センシアIII100」と棲み分けられました。2011年9月5日、富士フイルムは、「フジクロームアスティア100F」の120フィルム、220フィルム、シートフィルム（4×5in判、8×10in判、および4×5in判クイックロードタイプ）を2012年3月に生産終了すると発表しました。

フィルムシミュレーション

富士フイルムのデジタルカメラ（2009年以降の製品、例えばFinepix F200EXR、S100FS、Xシリーズ全機種など）には、「フィルムシミュレーションモード」に「Astia（ソフト）」という名称が用いられていますが、これは同名のフィルムを模倣したものではなく、あくまでそのフィルムの色彩をイメージしたものです。

脚注

[脚注の内容は、必要に応じて追加してください]

参考文献

『カラーリバーサルフィルム入門フジクロームの使い方』、日本カメラ社、2003年4月、ISBN 4817940964
『CAMERA magazine 12』、エイムック1890、枻出版社、2010年2月16日、ISBN 4777915506

外部リンク

富士フイルム公式ウェブサイトの該当ページへのリンク'>リバーサルフィルム、データシート
富士フイルム公式ウェブサイトの該当ページへのリンク'>リバーサルフィルム、比較一覧表
富士フイルム公式ウェブサイトの該当ページへのリンク'>リバーサルフィルム
富士フイルム公式データシートへのリンク'>Astia 100 （英語）
富士フイルム公式データシートへのリンク'>Astia 100F （英語）, アスティア100F
富士フイルム公式ウェブサイトへのリンク'>Fujifilm Professional Film Data Guide （英語）
富士フイルム公式ウェブサイトへのリンク'>新カラーリバーサルフィルムフジクローム「Velvia 100F/100」「ASTIA 100F」の開発
富士フイルム公式ニュースリリースへのリンク'>プロ用ネガフィルム・リバーサルフィルム・黒白フィルム一部製品販売終了のご案内

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